褒賞・助成

褒賞・助成 実績

第1回 杉浦地域医療振興助成
    杉浦地域医療振興賞  授与式を開催いたしました。

2012年9月5日、帝国ホテル東京にて、第1回杉浦地域医療振興助成、
杉浦地域医療振興賞 授与式を開催いたしました。
本財団にとって初めての式典となりましたが、大盛況に終わりました。
次回も多くのご応募をお待ちしております。

第1回 褒賞・助成の選考結果

選考委員による厳正な審査の結果、「杉浦地域医療振興賞」として4編、各300万円、
「杉浦地域医療助成金」として7件、総額1,480万円が選定されました。
その概要は、以下に示す通りです。

杉浦地域医療振興賞(4編、各300万円)

(1)
活動のタイトル 群馬県における地域リハと認知症の地域医療・リハ・ケア連携システムの構築:群馬リハネットとぐんま認知症アカデミーの活動
受賞者

山口 晴保氏
ぐんま認知症アカデミー・代表幹事
群馬県地域リハビリテーション協議会・委員長

群馬リハビリテーションネットワーク・副理事長
内容 群馬県内で、地域リハビリの多職種連携システムを構築する事業を、地域リハ協議会委員長などとして10年間実践し、広域支援センターの指定など地域医療連携に貢献してきた。さらに介護予防サポーター制度を立案・実施した。また、認知症の医療・ケアの地域連携は、医療・介護・福祉・教育・家族会・行政の多職種連携で、年2回の研修会・研究発表会(各回300名を超える)を中心に、7年前から取り組んできた。研究発表を県内から公募し優秀発表を報償している。この活動を通じた連携から生まれた人脈や影響力で、群馬県独自の認知症疾患医療センターの連携作りや連携パス作りが進んでいる。
(2)
活動のタイトル 地域完結型医療の構築に向けた多職種連携の取り組み「庄内地域医療連携の会」
受賞者 庄内地域医療連携の会
内容

①庄内地域の病院間の連携を強化するために、連携実務担当者である医師、看護師、医療ソーシャルワーカー、事務職員などの多職種との意見交換と情報共有の場

②地域全体で患者を治療・診療していく「地域完結型の医療連携」を考え、患者が身近な地域で病状にあった適切な治療を効率よく、そして暮らしやすい医療・福祉環境をつくるためにも地域医療連携強化の実現を目指す
(3)
活動のタイトル 歯科医師・歯科衛生士と在宅医療連携拠点が構築する医科歯科連携促進(地域NST)
受賞者

川越 正平氏

医療法人財団千葉健愛会 あおぞら診療所
内容 歯科衛生士が医師の訪問診療に同行する形で歯科スクリーニングを行い、必要性が高い患者を地区歯科医師会推薦歯科医師に紹介するシステムを構築したところ、在宅患者の臨床に大きなインパクトを生じつつある。現在開発中の看護師向け簡易スクリーニング尺度によって全国各地でこのしくみが応用可能となる。さらに、病棟や施設に歯科衛生士を一定期間派遣し継続的な口腔ケアを提供することによってその病棟看護師等の啓蒙を図るとともに、歯科衛生士向け研修プログラムを開発する。在宅医療連携拠点が地域栄養サポートチームとして機能し、養成された歯科衛生士は地区医師会開業医の依頼に応じて在宅患者のスクリーニングを担当することを目指す。
(4)
活動のタイトル

薬剤師の診察前面談から始まる新たな薬局機能の開発

~ワーファリン服用患者のPT-INR管理の情報共有システム~
受賞者

山村恵子氏

愛知学院大学薬学部教授
内容

本活動は新たな薬剤師職能の拡大を目指し、ワーファリン関する薬局での相談体制を実現した我が国で初めての取り組みである。

PT-INRは適正なワーファリン投与量を決定するための欠かせない指標である。一般的に診療所は、PT-INRの測定を外部の検査機関に委託しているため、診察時の処方には反映することができずに、投与量調節に時間を要することがある。そこで、オンタイムの処方のためには、PT-INRモニタリング情報共有システムを構築することが必要となる。本システムでは診察前に患者が薬局に立ち寄って自己測定したPT-INRと服薬情報を薬剤師から医師に提供することで、ワーファリンのオンタイム処方が可能となった。

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杉浦地域医療助成金(7件、助成金額1,480万円)

(1)
活動のタイトル 連携ノートと疾患別・重症度別ガイドブックを用いた認知症地域連携システムの自治体への導入と自治体導入マニュアルの作成
助成対象者

大阪大学大学院医学系研究科 精神医学教室 講師

数井 裕光氏
内容 認知症の人のための制度や施設は現在整いつつあるが、患者に関わる多くの医療者、介護従事者、家族間の連携は円滑ではない。我々は、患者情報を共有するためのツールである「連携ノート」と認知症患者の精神行動障害や日常生活活動の障害への対応法を疾患別、重症度別にまとめた「疾患別・重症度別ガイドブック」を作成した。今回の活動では人口16万人の兵庫県川西市全市を対象地区とし、両ツールを用いて、認知症患者に関する情報を共有し、かつ診療施設、介護施設、患者家族などの間の連携を円滑に行う認知症地域連係システムを確立する。また川西市での本システム導入の経験をまとめて、自治体に導入するためのマニュアルも作成する。
(2)
活動のタイトル 東日本大震災後のいわき市による新たな地域医療連携に対する戦略的取り組み
助成対象者

福島県立医科大学看護学部准教授

高瀬 佳苗氏
内容 この研究では, 東日本大震災により, 福島第一原子力発電所周辺自治体の多くの住民が避難しているいわき市において,住民が安心/安全に医療を享受するための基盤を創造することを目的とした活動を行う。そのために, 【過去を検証する】, 【現在をつくる】, 【未来へつなぐ】3つの部分から構成される活動に取り組み, それぞれ, 開業医師, 看護師, 薬剤師, 介護福祉士等のこの活動への参加によって, いわき市の地域医療連携の基盤づくりを目指す。
(3)
活動のタイトル 介護従事者と薬局薬剤師の連携による残薬及び重複処方実態調査
助成対象者

東京大学大学院薬学系研究科・医薬政策学 特任助教

五十嵐 中氏
内容

正しく服用されない薬は「効かない」のみならず、コスト面でも「無駄遣い」となる。そのため薬剤師が積極的に患者に働きかけて医薬品の使い方を指導することが推奨され、英国や豪州などでは薬剤師の職務として報酬化もなされている。日本でも申請者らのグループが「ブラウンバッグ運動」を各地で実施しているが、医薬品の無駄遣いに焦点をあてた事例研究や定量的評価は限られている。

 本調査では、茨城県薬剤師会土浦支部・石岡支部と共同で、患者への直接の聞き取りによる残薬や重複処方の実態調査を行う。さらにフォローアップ調査の実施により、薬剤費の削減効果および他職種、とくに介護負担の軽減度合いについても、定量的評価を行う。
(4)
活動のタイトル 栄養系慢性疾患に対する広域地域医療連携パス普及支援活動
助成対象者

公立大学法人 宮城大学 教授

富樫 敦氏
内容 東日本大震災から約1年を経過するが,甚大な被害を被った宮城県沿岸地域の地域医療は未だ完全には復旧していない.復旧を妨げているのが,医療者同士の情報連携の欠落である.その結果,厚生労働省が思い描く医療体制(急性期医療→回復期医療→維持期医療)は,被災現場ではまだ機能し得ない.本活動の目的は,「第二次医療圏において,地域での医療に当たる医療従事者の情報連携を高めることによって地域に質の高い医療を継続的に提供し,持続可能な社会システムを構築するための支援活動を行うことである.特に,被災地での地域医療の普及を目指す.本活動では,これまで3年間宮城大学が厚生労働省補助事業などで活動実績を積み上げてきた栄養系疾患(褥瘡,胃瘻,口腔ケア)に焦点を絞り,被災地である宮城県全域の被災地を支援対象に,県全域をカバーする地域連携によるICT(情報通信技術)を活用した医療支援活動を行う.
(5)
活動のタイトル 東京都港区を中心とした地域医療の普及とネットワーク構築
助成対象者

港区在宅緩和ケア研究会会長
(事務局:北里大学薬学部 薬学教育研究センター 社会薬学部門内)

今津 嘉宏氏
内容 本研究会の大目標は、在宅緩和ケアの実現に向けた①調査、啓発、教育活動による医療と区民のリンク、②民間の企画力を活かした地域医療モデルの構築である。これまで、港区の「在宅緩和ケア支援事業」を主管する保健所との協働で区民の意識調査や講演会等の啓発活動を行うとともに、各種学会での研究結果報告・広報、医療ボランティア育成トライアルを実施してきた。今年度からは、質の高い在宅緩和ケアの提供に向け、多職種合同研修会を実施し、医療連携推進、チーム構築力向上を図るとともに、福祉部面との協議及び合同事業の展開により、区民・学生の在宅医療・緩和ケアへの参画を促進し、地域としての在宅医療ネットワーク構築を目指す。
(6)
活動のタイトル 地域の医療従事者をつなぐ医療用麻薬導入時の地域連携支援パスの開発と疼痛の評価
助成対象者

聖隷浜松病院看護師 がん看護専門看護師

番匠 千佳子氏
内容

近年在宅緩和ケアが推進されるに伴い、外来での医療用麻薬の導入が行われるようになってきた。症状が十分に緩和されるためには医療用麻薬を開始するときの患者教育は非常に重要であるが、外来ベースでの地域の医療従事者と連携した患者教育は未開発である。

我々は、在宅がん患者が安心して地域社会で暮らすために、外来で医療用麻薬を導入したがん患者の教育に対する、病院と地域の医療従事者-特に看護師・薬剤師をつなぐためのツールとしての地域連携支援パスの開発と疼痛の評価を行う。(注:地域連携支援パスとは、外来で麻薬導入をした患者教育に対する、病院と保険薬局における医療従事者の役割を記した計画書)
(7)
活動のタイトル 大阪府における訪問看護ステーション災害応援ネットワーク構築の検討
助成対象者

大阪府訪問看護ステーション協議会 理事

立石 容子氏
内容 訪問看護ステーションは、介護度の高い方や医療依存度の高い方などを主にした在宅療養者を支える機関として、その活動に期待がよせられている。しかし、全国的にもその事業所形態は小規模であり、運営、経営上にも困難性があることが指摘されている。なかでも、災害発生時の対策については、自施設の災害対策マニュアルだけでは対応できないことが容易に予測され、地域ネットワークによる相互応援体制の構築が急務である。本研究の目的は、「情報の提供と共有」をネットワークの基幹機能と位置づけ、地域間の組織ネットワークの形成及び相互応援システムの開発の検討を行うことである