褒賞・助成

褒賞・助成 実績

第2回 褒賞・助成の選考結果

第2回の応募の中から選考委員会による厳正な審査の結果、「杉浦地域医療振興賞」として3編、各300万円、「杉浦地域医療助成」として12件、総額2,100万円が選定されました。
その概要は、以下に示す通りです。

杉浦地域医療振興賞(3編、各300万円)

(1)
受賞者 おおた高齢者見守りネットワーク
活動の内容

高齢化の一途をたどる大都市東京において、高齢者が住み慣れた地域で生活を継続するためにはどうしたらよいのか・・・ この課題に、高齢者に携わる各種専門機関と地域団体、企業が協働し生まれたのが、本会です。本会が考える高齢者の見守りネットワークとは、次の2つが有機的に連携していることによって実現するものです。
(1) 地域に暮らす高齢者と日常的につながりのある人たち(友人、ご近所、町会、老人会、商店街、銀行など)が、日常生活の関係性の中で高齢者の異変に気付くための『気づきのネットワーク』
(2) 地域包括支援センターをはじめとする、医療・介護・保健・福祉の専門機関が、先に述べた『気づきのネットワーク』による地域での早期の気づきをもとに、包括的・継続的支援を実施していくための『支援のネットワーク』

地域で暮らし、働く全ての人々と協働し、地域住民を対象とした、月1回セミナーを開催・高齢者見守りキーホルダーシステムの普及活動・高齢者の居場所・社会的役割を持てる場であるみま~もステーションほか、各地域団体・専門機関との連携に資する、研修会・イベント等を実施する事業を行い、『気づき・見守り・支え合う』地域づくりを目指し活動しています。
(2)
受賞者 特定非営利活動法人 日本慢性疾患セルフマネジメント協会
活動の内容 糖尿病をはじめとした生活習慣病や、関節リウマチ、膠原病、線維筋痛症、がん、炎症性腸疾患や神経難病を含む各種難病・希少疾患など、完治が難しい病気(慢性疾患)の人たちの自己管理を支援するため、全国16 都道府県で「慢性疾患セルフマネジメントプログラム」の勉強会を開催している。また、慢性疾患をもつ人の課題を掘り下げ、医療従事者を対象に慢性疾患の人の課題やニーズ、自己管理支援の概念に関する講演などを行っている。「慢性疾患セルフマネジメントプログラム」は、米国スタンフォード大学医学部患者教育研究センターが開発した自己管理支援プログラムで、現在は世界20 カ国以上で展開されている。
(3)
受賞者 本田 徹氏
活動の内容 本田徹医師は、東京山谷地域を中心に長年、地道な医療援助活動を続けている。1984年に無料診療所でのボランティア診療を始め、以来今も勤務医、国際医療保健NPOシェアの代表を勤めつつ、地域の他職種と協働し、ホームレスを始めとした様々な困窮者への援助活動を行っている。2008年に本田医師が中心となり、地域の医師・看護師・薬剤師・介護福祉・宿泊事業者や行政関係者等が集まり「山谷・地域ケア連携をすすめる会」が発足した。そのネットワーク機能により、ホームレスや、施設でも受け入れ不能とされていた生活困窮の認知症や慢性疾患患者が、安定した地域生活に移行出来た事例が数多く出る等、日本や世界に発信しうるモデルケースを育んでいる。

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杉浦地域医療助成(12件、助成金額2,100万円)

(1)
活動のタイトル ケアマネジメントを中心とする包括的多職種連携教育プログラムの開発・実践・検証および大学病院・地域連携モデルケースの確立
助成対象者 名古屋大学大学院医学系研究科附属クリニカルシミュレーションセンター 病院助教 平川 仁尚氏
内容 在宅で過ごす高齢者、特に要介護高齢者や終末期高齢者をケアするには、その高齢者の生活の質QOLを高めることが関係する多職種の共通目標である。しかし、多職種が円滑に協働していくためには、ケアマネジャーを始め各職種がマネジメント力と論理的思考をつける必要がある。この活動は、名古屋大学医学部附属病院を中心として、地域連携、多職種参加、現場をキーワードにケアマネジメントについて実際の事例を通じて学びあうことを趣旨としたものである。また、サロン的な話し合いではなく、医学部の教育セクションとタイアップして、ワークショップ形式で論理的アプローチの修得を目的にしていることが本活動の特徴的である。
(2)
活動のタイトル 宮城県域をカバーする栄養系慢性疾患に関する広域地域医療連携普及促進活動
助成対象者 公立大学法人 宮城大学
教授 富樫 敦氏
内容 本活動は、基本的には2012年度貴財団助成による「栄養系慢性疾患に対する広域地域医療連携パス普及支援活動」の発展的継続である。
2012年度は、これまで3年間宮城大学が厚生労働省補助事業などで活動実績を積み上げてきた栄養系疾患(褥瘡、胃瘻、口腔ケア)に焦点を絞り、被災地である宮城県全域の被災地を支援対象に、県全域をカバーする地域連携によるICT(情報通信技術)を活用した医療支援活動を行ってきた。この1年間で被災地である気仙沼市内の在宅診療所や訪問看護ステーション(3施設しかない)を中心に、仙台医療圏の仙台オープン病院、東北大付属病院、仙台医療センター、宮城社会保険病院との病診連携の仕組みが動き出した。この活動を通して痛感したことは、情報通信技術(ICT)による医療システムが完成しただけでは地域連携は進まないという事実である。地域の医療機関に何遍も足を運び、連携の阻害要因を取り除き、普及促進活動を継続することによって初めて連携と言う実を結ぶ。折角ほころびかけたつぼみを開花し結実するよう、ヒューマンリレーションという盤石な基盤を形成する必要がある。
そこで、2013年度は、栄養系疾患地域医療連携に関し、現在抱える課題を解決した実践的運用モデルを構築し、県域レベルの普及促進を実現し、かつその成果を全国に発信することにより、医療・介護・福祉の質の向上、効率化、経費削減、日本全体の広域医療連携の普及に資することである。この目的を達成するため、以下に述べる3つの項目を実施する。
活動項目1.県域への真の意味での普及促進
活動項目2.宮城県の医療福祉分野の連携を推進する協議会との協働
活動項目3.地域医療連携を加速する標準化への貢献
(3)
活動のタイトル 西尾幡豆地域のシームレスな医療、介護、福祉の連携
― 連携手帳を活用して ―
(西尾幡豆地域医療を守る会)
助成対象者 西尾市民病院 看護師 地域医療連携室室長
小嶋 佳代子氏
内容 西尾市は高齢化率が高い事などから、地域の方々が適切な医療、介護、福祉が受けられるよう地域で連携して支援することが多い。
そこで、2009年から西尾市内の5病院、1有床診療所の実務者で「西尾幡豆地域医療を守る会」を発足した。
(1)地域の医療、介護、福祉にかかわる人々の連携を図る。
(2)地域の医療、介護、福祉にかかわる人々に学習の機会を提供する。
(3)地域住民の地域医療に関する理解を深める。 上記をコンセプトとして、地域の介護施設、訪問看護等との連携を進めてきた。その中で、連携手帳や患者情報シートを作成し、スムーズに紹介できるよう取り組んでいる。
今後、連携手帳を充実するなど更にシームレスな連携をめざしたい。
(4)
活動のタイトル 医療者・介護者・福祉者のための「ケア・カフェ」の全国開催支援および、医療介護福祉従事者間の連携尺度を用いた「ケア・カフェ」の実効性の調査研究
助成対象者 旭川医科大学病院 緩和ケア診療部
副部長 阿部 泰之氏
内容 地域において住民の暮らしを支える医療や介護、福祉が連携する必要がある。このような医療介護福祉間の連携を促進する取り組みとして「医療者・介護者・福祉者のためのケア・カフェ」が旭川から全国へと広がりつつある。ケア・カフェは、カフェのような雰囲気の中、参加者が気軽に日常の相談事を話し合い、顔の見える関係を作る場である。この取り組みを全国にさらに広げるため、本事業では地域でのケア・カフェの開催支援を行っていく。また、ケア・カフェによって医療介護福祉間の連携がどう変化するか、連携尺度を用いた調査を行う。この事業により地域における医療介護福祉に関わる人が繋がることで、地域のケアが向上することが期待される。
(5)
活動のタイトル 多職種協働の「見える事例検討会」を導入し顔の見える医療・介護連携を構築
助成対象者 医療法人 ライフサポート わたらせリバーサイドクリニック
理事長 平林 久幸氏
内容 認知症対応困難事例の問題点抽出と、効果的な行動プラン策定のために、多職種が協働して様々な意見を出し合う検討会は有効である。また、医療と介護の連携強化は、患者さんや介護家族に直接のメリットとなるものの、現実には充分な連携が取れているとは言い難い。そこで、ファシリテーションの手法で議事運営し、見やすいグラフィックマップで議論を構造化・視覚化する「見える事例検討会」を地域に導入することで、認知症の周辺課題を解決すべく、多職種が自発的に参集できる環境を作る。医療・介護者間で事例が抱える諸問題を共有し、顔の見える関係構築を目指す。さらに、一般市民レベルまで認知症の理解を深め将来不安のない社会を目指す。
(6)
活動のタイトル 地域包括ケアシステムの構築を目指した多職種研修事業
~柏在宅医療研修プログラムの大都市への応用~
助成対象者 東京ふれあい医療生活協同組合 梶原診療所
副理事長/在宅サポートセンター長 平原 佐斗司氏
内容 1. 北区行政職員と北区医師会員、北区内の多職種の団体が加入する「北区在宅ケアネット(仮称)」を設立する。
2. 北区在宅ケアネット主催で、柏在宅医療研修をプログラム導入し、医師会員や行政職員、地域の多職種、地域支援型病院のスタッフが参加する「多職種協同研修」を実施する。
3. 北区独自の地域包括ケアモデルである「あんしんセンターサポート医」と連動し、北区の3つの行政圏域(其々人口約12万、9万、9万人)単位で、年間を通じて顔の見える連携会議を開催し、一次医療圏の在宅医療の面展開をはかる。
4. このような多職種協同研修と圏域ごとの顔の見える連携体制の構築と並行して、ICT環境を整え、地域連携と在宅ケアを進める。
(7)
活動のタイトル 難病コミュニケーション支援へのNPO活動と医療・保健専門職の関与の検討
助成対象者 三重大学 医学部 看護学科 基礎看護学講座
教授 成田 有吾氏
内容 筋萎縮性側索硬化症(ALS)を中心とする重症難病患者のコミュニケーション障害に対し、さまざまな方策で患者との意思疎通の確保に向けた取組が試みられてきた。しかし、ボランティア的NPO活動そのものについて、また、NPO活動と医療専門職との連携による患者側利得に関して、まだ実証的な研究はない。三重県で活動するコミュニケーションIT機器支援NPO「CTF松阪」と患者・家族、医療・保健・福祉関係専門職との連携の現状評価と当該NPO関与の影響につき実証的な検討を試みる。患者側支援ニーズの気づきからNPO依頼までの専門職の関わり、他の社会資源を利用できない原因を検討し、稀少疾患が対象ながら、他疾患に応用可能な社会資源の有効利用に資する。
(8)
活動のタイトル がんと診断されたときからの患者支援システムを構築し、他職種協働により医療の隙間を埋め、がん患者が「自分らしく生きる地域つくり」を推進する
助成対象者 がん患者サポート研究所「きぼうの虹」
阪野 静氏
内容 がん患者には身体的な痛みのみならず、精神的・社会的痛みがある。しかし、地域で生活するがん患者や家族をサポートする仕組みが殆どないのが現状である。
総合的ながん患者支援を行うには事業規模も大きく、行政(官)の力が必要だが、患者や家族に寄り添う取組みは、柔軟性と汎用性の点からも「民」の果たす役割が大きい。そこで、がん患者や家族が「自分たちらしく生きる」を支える地域のしくみついて、官と民が果たす役割と、協働で取り組む方法について研究する。その研究成果は再現性のある社会モデルとして構築し、がん患者や家族が「自分たちらしく生きる」地域づくりの推進に貢献するものである。
(9)
活動のタイトル 地域密着完結型ケア拠点「ハウス・て・あーて東松島」の創設と活動支援
助成対象者 東日本これからのケアプロジェクト改め、一般社団法人日本て・あーて,TE・ARTE,推進協会
川嶋みどり氏
内容 東日本大震災におり、環境への不適応や孤独のため生活活動不活発をはじめ、多様な健康問題が生じている。家族が分散住居の他、孤老や老々介護等により、種々の介護問題も浮き彫りになっている。当団体は、2011年9月おり、多賀城市の仮設住宅で「なでしこ茶論-お茶っこの会」を開設し、さらに石巻市では、被災した市立病院看護師たちの健康相談会や仮設回りにも協働参加し、随時看護師らの相談支援に応じるなどをしてきた。その経験から、東松島市赤井地域において、有志看護師らによる生活モデルを基盤とした看護・介護のケア拠点(ハウス・てあーて東松島)の創設と活動支援を行うとともに、地域でケアを提供する人材育成の支援活動を行う。
(10)
活動のタイトル 薬剤による嚥下障害の実態調査と危険因子の分析
摂食嚥下認定看護師・臨床薬剤師と介護者の連携による早期発見と対応マニュアルに向けて
助成対象者 兵庫医療大学 リハビリテーション学部 大学院医療科学研究科
教授 野﨑 園子氏
内容 高齢者の在宅(または入所)療養では、不穏・譫妄・うつ症状・不眠などの理由で向精神薬が処方される。処方頻度の高い非定型抗精神病薬・抗うつ薬・抗不安薬などの向精神薬は時に重篤な嚥下障害を引き起こす。嚥下障害は誤嚥性肺炎や栄養障害を合併して予後決定因子となる。一方、軽度な嚥下障害でも、処方薬の内服困難をきたし、薬効に影響を及ぼす場合もある。向精神薬の嚥下障害発症には個人差が大きく、発症要因や病態・経過は明らかではない。本研究では、地域医療を担う摂食嚥下障害認定看護師・薬剤師とともに実態調査と分析をおこない、その結果に基づき、向精神薬による嚥下障害についての医療者への啓蒙と介護者との連携を目指すものである。
(11)
活動のタイトル 在宅での栄養支援体制の構築に向けた“在宅栄養支援の和・愛知”の活動
助成対象者 独立行政法人 国立長寿医療研究センター
栄養管理室長 金子 康彦氏
内容 在宅栄養支援として、愛知県の知多半島地域を中心に医療及び在宅・福祉など在宅支援に関わる幅広い職種を対象とし、地域連携強化のため交流を深め、質の高い在宅栄養支援に貢献するための人材育成を目的とする。“在宅栄養支援の和・愛知”が開催する研修会で、実践で活躍している専門家等の意見等も含め,育成カリキュラムの作成に向けた検討を行う。また,研修内で事例への対応方法についてワークショップを行い参加者間の交流を促し,それぞれの職種が在宅栄養支援において,どのような役割が担えるのかを討議し,現状のシステムの問題点や改善点を検討する.また、知多半島栄養サポートマップを作成し点から面への展開を図る活動を実施する。
(12)
活動のタイトル スマート端末を使った音声認識記録作成補助SNSサービス
助成対象者 株式会社 モバイルカザス
代表取締役 倉賀野 穣氏
内容 近年、スマートフォン、タッチパネルモバイル端末(スマート端末)の普及が急速に進んでいる。このスマート端末はこれからの在宅訪問医療、訪問介護、訪問看護、訪問服薬の現場にどのように利用が可能か。
先進的な医療業界での施設では、既に院内の情報端末として有効活用をしていることろがあるが、多職種連携と音声認識を用いた簡単な報告書作成システムはまだ普及していない。そこで、本活動は、在宅訪問の現場で利用できるスマート端末上のアプリケーションとそのサービスを支援する音声認識プログラム、音声言語辞書を作成し、各現場でおきている書類作成の時間を大幅に削減する事を目的とする。