研究会

都市型の看護介護医療等連携研究会

都市型の看護介護医療等連携研究会

34回以降は、「認知症の人がより良く生きていける社会の実現を目指す」をテーマとして開催をしています。
都市に住む高齢者が、今までの地域で住み続けることを前提として支援するための多職種協働のあるべき姿について、研究会の成果報告を作成する。急激な高齢化に対応する、安心して生活できる普遍的な都市(東名阪)モデルの処方せん作成を目指します。(都市部での認知症ケアのシステム作りを考える)

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第41回「都市型の看護介護医療等連携研究会」開催

2016年10月6日(木) ステーションコンファレンス東京
テーマ:高齢ドライバー対策
講師:東京大学 大学院新領域創成科学研究科 人間環境学専攻 教授(兼:高齢社会総合研究機構、工学部機械工学科)鎌 田 実先生

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第40回 「都市型の看護介護医療等連携研究会」開催

2016年8月4日(木) ステーションコンファレンス東京
テーマ:家族の介護負担を考える:徘徊の実態と対応
講師:桜美林大学 老年学総合研究所 所長(大学院教授)鈴木 隆雄先生

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第39回 「都市型の看護介護医療等連携研究会」開催

2016年6月2日(木) トラストシティカンファレンス・丸の内
テーマ:認知症の人がより良く生きていける社会の実現を目指す
講師:東京理科大学薬学部薬学科 健康心理学研究室教授 後藤 恵子先生

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第38回 「都市型の看護介護医療等連携研究会」開催

2016年4月7日(木) ステーションコンファレンス東京
テーマ:認知症の人のより良い生き方を誰が実現するのか
講師:さわやか法律事務所 堀田 力先生

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第37回 「都市型の看護介護医療等連携研究会」開催

2016年2月4日(木) ステーションコンファレンス東京
テーマ:まちづくりに専門職ができること
    ~ おおた高齢者見守りネットワーク(みま~も)の取り組み ~
講師:社会医療法人財団 仁医会 牧田総合病院
   大田区地域包括支援センター入新井センター長
   おおた高齢者見守りネットワーク発起人 澤登 久雄先生

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第36回 「都市型の看護介護医療等連携研究会」開催

2015年12月3日(木) フクラシア東京ステーション
テーマ:英国のDementia Action Alliance
    認知症を手がかりにした領域・世代を越えたまちづくり
講師:国際医療福祉大学大学院 教授 堀田 聰子先生

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第35回 「都市型の看護介護医療等連携研究会」開催

2015年10月8日(木) ステーションコンファレンス東京
テーマ:認知症の有病率と生活症害への対応
講師:筑波大学 名誉教授
   医療法人社団創知会 理事長 メモリークリニックお茶の水 院長 朝田 隆先生

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第34回 「都市型の看護介護医療等連携研究会」開催

2015年8月6日(木) トラストシティカンファレンス・丸の内
テーマ:認知症の人がより良く生きていける社会の実現を目指す
講師:特定非営利活動法人 楽 理事長 柴田 範子先生

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第33回 「都市型の看護介護医療等連携研究会」開催

2015年6月4日(木) ステーションコンファレンス東京
テーマ:在宅でこそ その人らしく
講師:一般社団法人ライフケアシステム代表理事
   医療法人社団互酬会水道橋東口クリニック理事長・院長 辻 彼南雄先生

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第32回 「都市型の看護介護医療等連携研究会」開催

2015年5月7日(木)ステーションコンファレンス東京
テーマ:NPO町田市つながりの開の取り組み
講師:特定非営利活動法人町田市つながりの開 前田 隆行 理事長

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第31回「都市型の看護介護医療等連携研究会」開催

2015年3月5日(木)、東京ステーションコンファレンス(東京都中央区)にて、第31回「都市型の看護介護医療等連携研究会」を開催しました。ゲストスピーカーとして医療法人アスムス理事長の太田秀樹先生をお迎えし、20人の会員が出席しました。

杉浦昭子理事長より太田秀樹先生の紹介があり、その後、太田先生による「地域連携と多職種協働~地域包括ケアシステムを評価する試み~」と題したプレゼンテーションが行われました。

アスムス(A.S.M.SS/Activities Supporting Medicine:Systematic Services)とは、活動を支援する医療とシステムにより、患者さんたちの自己実現をお手伝いしたいという意味。1992年に開業し、機能強化型在宅医療診療所として、24時間365日、約300人の在宅療養生活を支援しています。

2人に1人は畳の上での最期を願っている一方で、在宅医療の人気がある地域と人気がない地域があることに疑問を感じ、RISTEX(リステックス)の研究助成金で、地域格差の要因を導き出すツールを開発。在宅医療先進地域に共通する要因として、①熱意あるキーパーソンの存在、②地域の実情に合った(合わせた)スタイル、③地域の医療・介護・福祉関係者が顔を合わせる機会(顔が見える連携)、④多職種・同職種間の連携が現場で機能、⑤行政主導によるコミュニティ作り/医療・介護領域に限らない(子育て支援など)の5項目を挙げ解説しました。

臨床・先進地域ヒアリングを行い、在宅医療を全うさせるために必要な視点として、①在宅医療(在宅で最期まで提供できる医療体制)、②入院医療(退院後の生活まで見据えた入院医療体制)、③在宅介護(生活を専門的に支える社会資源)、④市区町村行政(公益的・非営利的活動主体としての行政)、⑤地域連携(専門職間/組織・団体間ネットワークや絆)、⑥コミュニティ(地域住民によるインフォーマルな支え合う力:互助の力)、⑦利用者意識(在宅医療への理解・意識)という7つの領域が重要であるという結論に達し、各領域について評価項目を定め、在宅看取り率と相関するデータを統計学的に抽出。レーダーチャート式の地域診断スクリーニングは領域のバランスが一目瞭然にわかるので、ポイントの低い領域を高くすることで在宅医療が進む地域となり、地域包括ケアシステムが自ずと構築されることになると提言しました。

大部分の高齢者は、虚弱な期間を経て亡くなり、病院を中心としたヘルスケアシステムでは対応が困難であることから、地域包括ケアシステムの構築は時代の必然であり、在宅医療や在宅看護が果たす役割は大きい述べ、訪問看護サービスを中心とした質の高い医療が提供されているか、急性期病院の医者は在宅医療を理解しているか、介護の営利業者の倫理閾値はどうか、市町村行政のやる気や覚悟はどうか、連携・ネットワークや絆、地域の力(自助・互助)はあるか、市民の選択と心構えはどうか、そのための取り組みに力を入れていくことが、結果として地域包括ケアシステムの評価につながると結びました。

その後のディスカッションでは、在宅医療を信用していない病院の医師や看護師への対策、終末期に対する医療のかかわり方、在宅からの再入院の是非と支援体制の在り方、在宅医療のイメージとエビデンス、老衰に関する認識、行政の果たす役割などについて討議が交わされました。

次回は、ゲストスピーカーに前田隆行先生(特定非営利活動法人 町田市つながりの開 理事長)をお迎えし、2015年5月7日(木)に開催します。

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第30回「都市型の看護介護医療等連携研究会」開催

2015年2月5日(木)、東京ステーションコンファレンス(東京都中央区)にて、第30回「都市型の看護介護医療等連携研究会」を開催しました。ゲストスピーカーとして国立保健医療科学院統括研究官の勝又浜子先生、厚生労働省老健局高齢者支援課 認知症・虐待防止対策推進室長の水谷忠由先生をお迎えし、20人の会員が出席しました。

杉浦昭子理事長より勝又浜子先生の紹介後、勝又先生による「今後の認知症施策の方向性について」と題したプレゼンテーションが行われました。

2025年までに65歳以上の単独世帯や夫婦のみの世帯が増加し、特に都市部では75歳以上の高齢者が急速に増加し、各地域の高齢化の特性に応じた対応が必要になる中、現在、認知症高齢者は約462万人と推計(平成24年)され、65歳以上高齢者の7人に1人が認知症、さらにMCI(正常と認知症の中間)の人を含めると約850万人になります。平成22年に要介護認定を受けた日常生活自立度Ⅱ以上の認知症高齢者、約280万のうち在宅で生活しているのは140万人、介護施設で暮らしている人は100万人、また、医療機関で治療を受けている38万人のうち、平成23年で5.3万人が精神科病院に長期に入院しているという現状を踏まえ、新オレンジプランに至るまでの認知症関連の施策の歩みについて解説しました。

認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域で暮らし続けることができる社会の実現を目指し、これまでの「ケアの流れ」を変え、状態に応じたサービス提供の流れを構築することを基本目標とするという今後の認知症施策の方向性を述べ、①標準的な認知症ケアパスの作成・普及、②早期診断・早期対応、③地域での生活を支える医療サービスの構築、④地域での生活を支える介護サービスの構築、⑤地域での日常生活・家族の支援の強化、⑥若年性認知症への対応、⑦認知症の人への医療・介護を含む一体的な生活の支援として認知症ライフサポートモデルを策定し、医療・介護サービスを担う人材育成について、個々の取り組みを解説。すべてを実践するため、医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムを構築し充実させていくと結びました。

その後、杉浦理事長より水谷忠由先生の紹介があり、「認知症に関する新たな戦略について」と題した水谷先生のプレゼンテーションが行われました。

認知症高齢者に優しい地域づくりをキーワードに策定された新オレンジプランの7つの柱の中で、認知症の普及・啓発については、認知症への社会の理解を深めるために、全国的なキャンペーンを展開し、認知症の人が自らの言葉で語る姿勢を積極的に発現する、認知症サポーターが様々な場面で活躍してもらうよう、地域や職域の実情に応じた取り組みを推進するとともに、サポーターの人数目標を600万人から800万人にする、文部科学省と連携しながら、小・中学校でのサポーター養成講座の開催、大学生ボランティアなどの取り組みを推進するとし、医療・介護の提供では、早期診断・早期対応を軸とし、最もふさわしい場所でサービスが提供される循環型の仕組みを行うとし、かかりつけ医・歯科医師・薬剤師・看護師の認知症対応力の向上、認知症初期集中支援チームの設置、介護職員向けの認知症介護基礎研修(仮称)、認知症の様態に応じた適切なサービス提供の流れをつくるための認知症ケアパスの活用、医療・介護関係者等の間の情報共有の推進、全市町村で認知症地域支援推進委員を配置するなど。若年性認知症施策は、支援ハンドブックの配布、都道府県の相談窓口にネットワークの調整役を配置する、居場所づくりや就労・社会参加を支援するなど。
介護者への支援は、認知症カフェの設置、家族向けの介護教室の普及・促進、仕事と介護を両立できる環境整備など。認知症高齢者にやさしい地域づくりの推進では、生活の支援(ソフト面)、生活しやすい環境(ハード面)の整備、就労・社会参加支援、安全確保など。そのほか予防・診断・治療・リハビリ・介護の研究開発と普及の推進、認知症の人のニーズ把握や生きがい支援、認知症の人やその家族の視点を施策の企画・立案・評価に反映させるための好事例や方法論の研究などを解説し、認知症高齢者等にやさしい地域を実現するためには、様々な主体がそれぞれの役割を果たすとともに、コミュニティのつながりを基盤として地域を再生するという視点も大事だと結びました。

その後のディスカッションでは、本人主体の医療・介護等の徹底、認知症ケアパスの概念と実際、認知症の初期段階への対応の在り方、プランと現場のギャップ、地域の企業の役割、医療・介護における負のサイクル、認知症対応力向上の研修後のケア体制の問題点、地域包括ケア病棟の是非、服薬管理の問題点などについて討議が交わされました。

次回は、ゲストスピーカーに前田隆行先生(特定非営利活動法人 町田市つながりの開 理事長)をお迎えし、2015年5月7日(木)に開催します。

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第29回「都市型の看護介護医療等連携研究会」開催

2015年1月8日(木)、東京ステーションコンファレンス(東京都中央区)にて、第29回「都市型の看護介護医療等連携研究会」を開催しました。ゲストスピーカーとして東埼玉総合病院地域糖尿病センター長・在宅医療連携拠点事業推進室「菜のはな」室長の中野智紀先生をお迎えし、20人の会員が出席しました。

杉浦昭子理事長より中野智紀先生の紹介があり、その後、中野先生による「地域の限られた資源で急速な高齢化をいかにして乗り越えていくか?」と題したプレゼンテーションが行われました。

急速な高齢化に対して地域包括ケアシステムが推進されるとともに、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを最後まで続けていくという目標が掲げられている中、介護・保健ビジネスではない体制をどうのように整えるのか、ベストミックス・ベストアプローチなケアをどう提供していくのかが大きな課題ですが、一方でそうしたケアを全く提供されない人も多数いるのが現状。個人最適と全体最適の両輪、最適なコミュニティとしての最小エリアを特定する必要があるのではないかと提言しました。

埼玉県の北東部に位置する幸手市杉戸町は、医療資源の不足、急速な高齢化と疾病構造の変化、家族・地域機能の低下という問題を解決するために、地域医療ITネットワーク「とねっと」を構築。7市2町の行政、5郡市医師会、2保健所、10基幹病院が協議会を作って運営する「とねっと」に加入している人は、1つのIDによって治療経過、検査結果、画像診断、過去の記録などの診療情報が蓄積されるため、救急搬送の迅速な判断に活用したり、在宅医療や介護現場に活用するだけでなく、パソコンやスマートホンで検査結果や処方歴などの記録を見ることができるので本人の健康管理にも役立ちます。

すでに「とねっと」には119の医療機関、住民は2万3000人を超える住民が参加しているほど急速に普及。保健センターの保健師、病院勤務の先生、開業医の先生など職域を超えた協働作業として、町長を中心に東日本大震災の被災者の健診を行い、各地域の特性を活かした適切な施設運営につなぐなど実際の好事例を挙げ、対応や連携が遅れて重症化、多病化、不可逆化による入院、再入院、長期入院を回避するためには、特に超高齢社会を迎える都市部などでは、かつての離島山村の地域包括ケアモデルでは適応できないという現状を踏まえ、地域防災も含め地域連携のキーワードとなるヒューマンネットワークを市民レベルで構築する必要性があると協調しました。

在宅医療連携拠点事業推進室「菜のはな」は、超高齢社会に対応できる在宅医療の推進と地域包括ケアシステムの構築を目指し、地域包括支援センターのカウンターパートナーとしての役割を果たします。住民主催の地域ケア会議には、医療・介護系のみならず、町作り団体、商工会青年部などの様々な公助・共助の担い手たちが集まり、地域レベルで解決できない問題の解決策を考え、互いに協力し合うということが肝要であるとし、脆弱化してしまった人と人とのつながりを補うような新しい公共を住民が作り、そこにヘルスケアシステムが合わせていくような仕組みを続けていきたいと結びました。

その後のディスカッションでは、医師会と基幹病院、在宅医の連携における経済面、各市の地域差の現状、連携に至る過程で起こる問題点や運営の工夫、他の医療圏に対する見方、地域課題や医療間の温度差の解決法、糖尿病学会への発信、コミュニティナースの存在、病院が手がける在宅医療連携拠点事業、今後の事業展開、IT化によるセキュリティ対策などについて討議が交わされました。

次回は、ゲストスピーカーに勝又浜子先生(国立保健医療科学院 統括研究官)と水谷忠由先生(厚生労働省老健局高齢者支援課 認知症・虐待防止対策推進室長)をお迎えし、2015年2月5日(木)に開催します。

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第28回「都市型の看護介護医療等連携研究会」開催

2014年11月6日(木)、東京ステーションコンファレンス(東京都中央区)にて、第28回「都市型の看護介護医療等連携研究会」を開催しました。ゲストスピーカーとしてNPO法人自立支援センターふるさとの会常務理事の滝脇憲先生をお迎えし、20人の会員が出席しました。

杉浦昭子理事長より滝脇憲先生の紹介があり、その後、滝脇先生による「ふるさとの会の取り組み」と題したプレゼンテーションが行われました。

日雇い労働者が滞在する俗にいうドヤ街と呼ばれる山谷地域(東京都台東区・荒川区)の路上生活者を支援するボランティアサークルとして1990年にスタートし、1999年に特定非営利活動法人の認証を受けた「自立支援センターふるさとの会」は、現在、台東区、墨田区、荒川区、豊島区、新宿区を活動エリアとし、18歳~90歳代までの幅広い年齢層の生活困窮者を支援しています。1100人を超える支援対象者のうち、病気や障害を抱えている高齢者が半数以上を占め、全体の約1割は、要介護高齢(65歳以上)で且つ精神障害、知的障害、認知症、がんの4重苦を抱え、受け入れる病院や施設がなく、アパートでの独居生活も困難な状態です。

インフォーマルコミュニティケアの機能は、①住まいの確保、②生活支援(食事・睡眠・清潔・体調管理・活動)」、③孤立せずに希望や尊厳をもてるような「仲間づくり」、④地域の医療機関・福祉サービスと連携して重度の機能障害があっても支えられる体制をつくり最終的に「在宅看取り」を行う4つが基本で、㈱ふるさととNPOふるさとの会地域生活支援センターとが連携し、ケア付きの保証人事業により生活支援を行うほか、空き家を利用した連帯保証人不要のアパートの管理運営も行うなど、実際の活動内容を述べました。

重度の認知症で一人暮らしが困難な場合、共同居住による自立援助ホームで対応していますが、その中で最も重要なことは、家族のような「よりそい支援」と「医療・保健・介護」による生活支援を両立させ、機能障害を生活障害にしないという視点であり、困ったときや寂しいときの相談、病気になったときの相談、制度利用に関する相談や手続き支援、居住環境の保持、金銭管理といった情緒的、情報的、手段的ソーシャル・サポートを統合的・連続的に提供する必要性を強調しました。

利用者のトラブルは互助をつくる大事なチャンスと捉えることが必要であり、課題を明らかにして解決に向かう役割分担を積み重ねる中で、地域の中で支援付きの雇用を創出することが可能になると述べ、医療・保健・福祉、住まい、生活支援を含め、生活困窮の人のためのケアネットワークをつくり、生活困窮者の社会資源を、地域福祉の社会資源として活用できるような取り組みを行うとともに、地域の再生コミュニティーづくりへと展開していきたいと結びました。

その後のディスカッションでは、ケア付き就労の特徴と課題、組織体としての成長過程、運営にかかわる人材の適正、要介護の高齢者支援と雇用創出、就労支援ホームの実態、ホームレス支援の活動、支援対象者の生きがいづくりなどについて討議が交わされました。

次回は、ゲストスピーカーに中野智紀先生(東埼玉総合病院 地域糖尿病センター センター長)をお迎えし、2015年1月8日(木)に開催します。

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第27回「都市型の看護介護医療等連携研究会」開催

2014年10月2日(木)、東京ステーションコンファレンス(東京都中央区)にて、第27回「都市型の看護介護医療等連携研究会」を開催しました。ゲストスピーカーとして九州保健福祉大学大学院医療薬学研究科教授の髙村徳人先生をお迎えし、20人の会員が出席しました。

杉浦昭子理事長より髙村徳人先生の紹介があり、その後、髙村先生による「がんばろう薬剤師―フィジカルアセスメントの薬学への導入と薬術創出の挑戦から見えたもの―」と題したプレゼンテーションが行われました。

進歩した医療技術力と薬剤師の技術力との格差という問題を指摘し、臨床能力に長けた薬剤師を養成するためには薬剤投与技術の習得、シミュレータを用いたフィジカルアセスメント技術の修得、薬学的研究成果の投入された薬剤師技術(薬学的診断法投与法=薬術)の修得を強化する必要があると述べました。

フィジカルアセスメント技術の実践教育では、病的な脈拍、心音、呼吸音などの聴診技術を修得することの困難さを体験することで聴診器や心電計などの道具の必要性を認識させ、薬学生あるいは薬剤師に、患者を治すための薬術(新しい薬学的診断法とそれに基づく攻めの投与法)創出、それを施行するための非侵襲的道具の創出、これらの創出に対する使命感を芽生えさせることを目的としています。

医学的に発展してきた臨床検査値を薬学的に解釈する方法として、すでに蛋白結合置換術(関節リウマチや癌専門領域の疼痛緩和に対する非ステロイド抗炎症薬の投与設計)やアルブミン変動による栄養状態の把握などに対する「薬学的分布診断法(血清内探索法)」を開発しています。実際、宮崎大学整形外科学分野で「整形外科領域におけるNSAID治療の新戦略」として施行したところ、投与回数・投与量を低減し効果を発揮できる方法であり、効果と安全性の双方の向上を目指せる方法であると評価されました。

身体を評価し、患者の苦しみを理解する方法であるフィジカルアセスメントを薬学に導入し、患者の目の前で解決策を即断できる薬剤師を誕生させるとともに、薬剤師による医療貢献を国民に認めてもらうことによって薬剤師の未来を構築するため、薬術を創出させ薬剤師に真の生きがいをもたらす「がんばろう薬剤師学会(仮称)」の設立を目指すと結びました。

その後のディスカッションでは、蛋白結合置換術を実行するうえでの問題点、患者との接触が少ない薬剤師の教育課程の是非、新しい発想による薬学的診断法の必要性、薬学6年制にしたことの意義と課題、高齢者の栄養状態などを含めたうえでの薬剤管理に対する考え方、医師の処方箋に対する薬剤師の判断価値、地域社会で薬剤師が果たすべき役割などについて討議が交わされました。


次回は、ゲストスピーカーに滝脇憲先生(NPO法人 自立支援センターふるさとの会 常務理事)をお迎えし、2014年11月6日(木)に開催します。

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第26回「都市型の看護介護医療等連携研究会」開催

2014年9月4日(木)、東京ステーションコンファレンス(東京都中央区)にて、第26回「都市型の看護介護医療等連携研究会」を開催しました。ゲストスピーカーとして医療法人にのさかクリニック院長の二ノ坂保喜先生をお迎えし、20人の会員が出席しました。

杉浦昭子理事長より二ノ坂保喜先生の紹介があり、その後、二ノ坂保喜先生による「いのちを受けとめる町づくり―人権運動としてのホスピス―」と題したプレゼンテーションが行われました。

にのさかクリニックは、福岡市内都市部の在宅療養支援診療所。病気や障害の種類を問わず、患者・家族を1つの単位として考え、多職種のチームでケアにあたっています。顔の見える関係はもちろん、家族のケアの力、あるいは患者自身のケアの力、コミュニティーのケアの力など、関係性の中で生まれる様々なケアの力を重視していると述べました。
2014年6月には、地域ホスピス支援センター「エール」をオープン。地域全体の在宅ホスピスの支援・普及のためのセンター的な役割を担い、患者や家族、他の医療機関や訪問看護ステーションから在宅ケアに関する相談を受けています。教育や研修機能として、将来的には、事例検討なども含む在宅ケア・在宅ホスピスについての教育・研修を実施できるようにしたいと考えています。

多職種のネットワークなしでは成り立たない在宅ホスピスにとって、①24時間対応、確かな看護技術、思いやりのあるケア、介護保険などの制度に精通し連携の要となるのが訪問看護師の存在、②訪問入浴グループ、生活を支えるヘルパーやケアマネジャー、理学療法士や作業療法士などの生活支援チーム、③聞き書きや手紙の代筆、在宅での留守番や見守り、訪問診療や訪問看護の同行、イベント同行支援を行うボランティア、④在宅ホスピス事例検討会を行う福岡市内の医療機関や訪問看護ステーション、介護事業所などの存在の重要性を述べました。

在宅ホスピスチームが、チームとして成り立つためには、理念を共有して気持ちが一つになること、職種は異なっても患者の生活、患者の命を支える上では平等であること、情報を交換し共有すること、学び合い経験を積み重ねていくことが大切と主張。お互いが意見の言える関係であり、ステップを踏みながら信頼関係が構築できると語り、バングラデシュのほか海外での取り組みを紹介しながら、在宅ホスピスを目指した原点を大切にしていきたいと結びました。

その後のディスカッションでは、死を見る機会が減った現代の状況、ボランティアのモチベーションや養成の仕方、本人と家族の意向が異なる場合のアドバイス、医師会の協力体制、バングラデシュの看護師問題、トータルヘルスプランナーの存在、病院の緩和ケア病棟と在宅ホスピスの違いなどについて討議が交わされました。


次回は、ゲストスピーカーに髙村徳人先生(九州保健福祉大学大学院医療薬学研究科 教授)をお迎えし、2014年10月2日(木)に開催します。

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第25回「都市型の看護介護医療等連携研究会」開催

2014年8月7日(木)、東京ステーションコンファレンス(東京都中央区)にて、第25回「都市型の看護介護医療等連携研究会」を開催しました。ゲストスピーカーとしてボランティアグループすずの会代表の鈴木恵子先生をお迎えし、20人の会員が出席しました。

杉浦昭子理事長より鈴木恵子先生の紹介があり、その後、鈴木恵子先生による「ご近所パワー活用術〝気になる人を真ん中に〟」と題したプレゼンテーションが行われました。

現在、人口145万の川崎市の中で、宮前区は約23万人。その中の野川地区の人口は約2万8500人で、要支援、要介護の方は約1000人。平成7年に設立したボランティアグループすずの会の名称は「ちょっと困ったときは鈴を鳴らしてくださいね」という思いを込めて命名。身近な人との出会いから、どんなことを学ぶのか、どんなことがその方の必要としていることなのか、それを掘り起こして、行政や組織など様々なネットワークにつなげていくという活動スタイルを20年間続けています。

高齢化率が70パーセントに近い団地では、独居かどうか、要支援かどうかなどをマップ化し、住民同士の声がけを促すほか、制度に馴染まない活動を生み出すことで、トータルに支える仕組みづくりを推進。現在では、特養、ケアハウス、グループホーム、小規模多機能などを含めて10施設、行政、民政委員、町内会など28グループが集まり、野川地区の高齢者対策について話し合うまでに発展していると述べました。

要介護者や家族が集う楽しみの場「ミニデイ」では、毎回70名以上が参加。一人ひとりの状況を把握する一方、参加者同士が顔なじみになって日常のつながりへと発展し、また、ボランティアの生きがいの場となっています。また、有志や当事者の自宅を開放して開催する「ダイヤモンドクラブ」は、ご近所単位の集まりの場所。近隣で起こっている問題を把握したり、孤立しがちな要介護者との接点をつくったりするなど、助け合いのできる近所付き合いができるようになっています。

2014年4月には、空き家を活用した「すずの家」をオープン。6月~8月は、川崎市介護予防推進モデル事業として、要支援対象の地域支援を行うことになり、実際の効果を検証し、次の展開につなげていきたいと延べるとともに、イザというときにつながるためには身近な人、わかってくれる仲間をもつことが大事であり、最終的には地域全体で考えることが重要だと結びました。

その後のディスカッションでは、ボランティアへの謝礼の在り方、活動費の捻出、男性への社会参加の誘導、空き家活用、介護保険の財源とサービスの在り方、地域ネットワーク会議のポイント、虐待への対応、ボランティアの選び方などについて討議が交わされました。


次回は、ゲストスピーカーに二ノ坂保喜先生(医療法人にのさかクリニック院長)をお迎えし、2014年9月4日(木)に開催します。

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第24回「都市型の看護介護医療等連携研究会」開催

2014年7月3日(木)、東京ステーションコンファレンス(東京都中央区)にて、第24回「都市型の看護介護医療等連携研究会」を開催しました。ゲストスピーカーとして社会福祉法人夢のみずうみ村理事長・株式会社夢のみずうみ社代表取締役の藤原茂先生をお迎えし、20人の会員が出席しました。

杉浦昭子理事長より藤原茂先生の紹介があり、その後、藤原茂先生による「夢のみずうみ村の取り組み」と題したプレゼンテーションが行われました。

介護現場でのサービスや職員の質の向上が必要だといわれる中、夢のみずうみ村は、個々の生活能力をアップさせ、介護度の改善率が非常に高いことで有名なリハビリ施設。毎日100名もの利用者が山口市内外から訪れます。夢のみずうみ村は、「環境のしかけ」「プログラムのしかけ」「人のしかけ」という3つの原則を基にした人生の現役を養成する道場であり、生きる力、生活する力をつける場所だと述べました。

「環境のしかけ」は、施設内に段差や坂、階段など日常生活で遭遇するバリア(障害物)を意図的に配置し、利用者自らが自宅から地域へと生活範囲を広げるための生活技能を獲得することを目的とするもので、独自のしかけを作っています。リハビリ施設は、豪華で整理整頓され緊張する場所であってはいけないと熱く語りました。

「プログラムのしかけ」は、利用者が自分の好きなプログラムを決める「自己選択・自己決定方式」を用いて、自分がこうしたいという意思を引き出すことで生活を向上させることが目的。その取り組みの中で、運動機能(命を支える力、動きを支える力、周囲を感知する力)と精神機能(生きようとする力、人と関わる力、わかる力、考える力、自分らしさを保つ力)の8つの力という項目について、これらの能力がどのように、どのくらい変化するか評価し、エビデンスを出していくと延べ、評価法をしっかり展開する施設が今後は生き残ると示唆しました。

「人のしかけ」として、職員は、利用者がその行為ができるかできないかを見極め、できない場合にのみ手を出し、できる場合は手を引くという「引き算の介護」を徹底し、過介護によって利用者の依存心を高めない介護を実践しています。また、職員が自ら動くように導く「スター制度」を実践。こうした様々な取り組みを継続する中で、住民参加型開放通所介護施設のような施設など、新しい発想で新しい企画を考え、より良い体制を構築したいと結びました。

その後のディスカッションでは、転倒など利用者の事故に対する対応、スター制度の在り方、村内通貨「YUME(ユーメ)」が賭けられるカジノの存在、認知症の人への対応、市町村事業の取り組み方、フランチャイズの是非などについて討議が交わされました。


次回は、ゲストスピーカーに鈴木恵子先生(ボランティアグループすずの会代表)をお迎えし、2014年8月7日(木)に開催します。

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第23回「都市型の看護介護医療等連携研究会」開催

2014年6月5日(木)、東京ステーションコンファレンス(東京都中央区)にて、第23回「都市型の看護介護医療等連携研究会」を開催しました。ゲストスピーカーとして埼玉県和光市保健福祉部長の東内京一先生をお迎えし、20人の会員が出席しました。

杉浦昭子理事長より東内京一先生の紹介があり、その後、東内京一先生による「ミクロのケアマネジメント支援 自立支援型ケアマネジメントとチームケア ~自立支援の観点から適切な課題分析、地域ケア会議を活用して~」と題したプレゼンテーションが行われました。

和光市は10年以上も前から高齢者対策に取り組み、独自のノウハウを確立した結果、要介護認定率10.2%と、全国平均の17.4%を大きく下回っています。マクロ的な制度機能政策として和光市方式IADL(生活行為)を採用。個人因子(身体機能・認知機能、廃用系・疾病等および性格、状態回復できるものか、できないものか)と環境因子(家族や近隣の知人の背景、在宅や地域の日常生活導線、かかりつけ医や民生医院等の関係、生涯生活歴)といった現状に関する情報を収集し、その原因や要因を分析します。さらに抽出した課題について、問題解決に向けたサービスの検討をし、本人の半年後の状態像や生活改善を見通して優先順位をつけ、チームケアを編成しているのが特徴だと述べました。

ミクロのケアマネジメントとしては、自立支援型ケアマネジメントを実現。「できない生活行為」を「できる行為」に改善させることが目標であり、本人の意欲目標を達成する手段は、生活行為も改善させる手段でなければならないと延べ、各専門職はもちろん本人や家族なども含め、それぞれが役割を持ち、共通の目標に向かって進んでいくチークケアの成果を上げるためには、機能向上と生活行為向上の違いを理解したうえで、現状評価、生活行為向上を目標とした予後予測が不可欠である点を強調しました。

介護保険事業計画などマクロ的な政策とケアマネジメントや人材育成などのミクロ的な支援をつなぐ政策機能の核となっているのは「地域ケア会議(和光市コミュニティケア会議)」機能だと解説。高齢者(市民)の尊厳とQOL向上のためには、「高齢者(市民)への周知・理解」「ケアマネジャーの育成(専門性の向上)」「介護サービス事業者の育成(専門性の向上)を図る必要があり、地域ケア会議の中でケース調整や多職種の連携、アセスメント統一などを検討することによって専門性の高いケアマネジメントを提供することが、結果として高齢者(市民)の幸福につながると結びました。


次回は、ゲストスピーカーに藤原茂先生(社会福祉法人夢のみずうみ村理事長・株式会社夢のみずうみ社代表取締役)をお迎えし、2014年7月3日(木)に開催します。

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第22回「都市型の看護介護医療等連携研究会」開催

2014年5月8日(木)、東京ステーションコンファレンス(東京都中央区)にて、第22回「都市型の看護介護医療等連携研究会」を開催しました。ゲストスピーカーとして福岡県大牟田市の社会福祉法人東翔会グループホームふぁみりえホーム長、大牟田市認知症ライフサポート研究会代表の大谷るみ子先生をお迎えし、20人の会員が出席しました。

杉浦昭子理事長より大谷るみ子先生の紹介があり、その後、大谷るみ子先生による「大牟田市の認知症ケアと地域ケア~大牟田式オレンジプランの育ち方~」と題したプレゼンテーションが行われました。

現在、大牟田市は、高齢化率32.4%。10万人以上の地方都市では、高齢化率はトップクラスです。その中で認知症の人が抱える「自立・生命・安全・絆・アイデンティティ」の5つの危機を回避し、最良の生活が送れるように架け橋を作るため、平成13年には認知症ケア研究会が発足され、翌年には大牟田市による地域認知症ケアコミュニティー推進事業としての取り組みが始まりました。

認知症ケアの質の向上、実践力と推進力を持つ人材育成、医師との連携、多職種協働、地域協働、地域認知症サポートチームなど年々様々な取り組みを続けてきましたが、研修会などで学ぶだけでなく、現場に落とし、その結果をフィードバックしなければ実践力につながらないと大谷先生は強調しました。
平成24年からは、地域包括支援体制の構築として、デンマークをモデルとした地域認知症サポートチーム、「徘徊SOSネットワーク」の広域化、市を中心とした徘徊行方不明時の24時間情報発信・捜索活動のシステム化、もの忘れ相談医の拡大などに取り組み、26年度から開始した大牟田式オレンジプランの推進に大きく期待していると述べました。

市内の認知症介護に関わる実態調査を基に、当事者、家族、地域住民の力や役割を重視し、地域で認知症の人を支える仕組みを構築するというミッションを達成するには、核となる人材育成が重要であり、認知症コーディネーターの養成研修、もの忘れ相談医の育成、地域認知症サポートチーム(専門医+サポート医+コーディネーター+連携担当者)の配置を推進。小学校区を基盤とした地域密着型サービスの整備、介護予防・地域交流拠点の整備、拠点を中心としたネットワークづくりが必要だと示唆。「徘徊がノーでなく、安心して徘徊できるまち」づくりを実現するため、共通の価値観と目標を持ち、課題を1つずつ議論しながら進んでいきたいと結びました。

その後のディスカッションでは、医師会や精神病院との関連、グループホームの在り方、24時間定期巡回への対応、MCIへの対応、認知症サポーター養成と地域の関わり、急性期病院へのアプローチ、行政との連携の仕方、徘徊模擬訓練の成果などについて討議が交わされました。


次回は、ゲストスピーカーに東内京一先生(埼玉県和光市保健福祉部 部長)をお迎えし、2014年6月5日(木)に開催します。

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第21回「都市型の看護介護医療等連携研究会」開催

2014年3月6日(木)、東京ステーションコンファレンス(東京都中央区)にて、第21回「都市型の看護介護医療等連携研究会」を開催しました。ゲストスピーカーとして医療法人萌気会の黒岩卓夫理事長をお迎えし、20人の会員が出席しました。

杉浦昭子理事長より黒岩理事長の紹介があり、その後、黒岩理事長による「地域での連携の取り組み―在宅看取りを視野に入れて―」と題したプレゼンテーションが行われました。

1992年に(医)萌気会浦佐診療所(新潟県南魚沼市)を開設して20年。現在は訪問診療、訪問看護、訪問介護、通所サービス、小規模多機能型居宅介護、グループホームなど、地域のニーズに応じたサービス15事業を手がけている。人間として「安心した老いと平穏な死は権利」だと主張し、日常生活から穏やかな看取りまでを支援する医療と介護の連携の在り方について述べました。

在宅療養において、介護は生活を支え、医療は健康を支えるという役割分担を明確にしたうえで両者が連携する必要があるとし、特に地方の場合、入院可能な地域の中小病院と訪問診療を行う診療所とが信頼関係を構築することがベースとなり、多職種がかかわりながら、高齢者が居心地の良さを感じる生活環境や満足できる1日を支援することが、結果として医療や介護の質を高めると示唆しました。

一方、自宅であろうと施設であろうと、人は必ず死を迎えます。合理的で条理のある世界では医学は役立つものの、看取りのように非合理的で不条理な世界では医療者の立場ではなく、人間として向き合う必要があるとし、明日死ぬとわかっている人であっても、今生きているという人間の価値を認めない限り、根本的なケアは成り立たないと強調しました。

最期に、現在の西洋医学やキリスト教文化を基盤としたケア論では、日本人の死へ向かうケアを包括することは難しく、死に直面した痛みや不安に苦しむ人に対しては、日本人に受け入れやすい仏教的ケアとして臨床宗教師などの支援が不可欠であり、当事者を介した真の連携を構築する必要があると結びました。

その後のディスカッションでは、ものの考え方や価値観などの地域文化、多様化する患者さんや家族への対応、終末期の麻薬への考え方、看取りに対する覚悟、仏教的な介入の実現、医師のリスクなどについて討議が交わされました。


次回は、ゲストスピーカーに大谷るみ子先生(福岡県高齢者グループホーム理事長・大牟田市認知症ケア研究会代表)をお迎えし、2014年5月8日(木)に開催します。

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第20回「都市型の看護介護医療等連携研究会」開催

2014年2月6日(木)、東京ステーションコンファレンス(東京都中央区)にて、第20回「都市型の看護介護医療等連携研究会」を開催しました。ゲストスピーカーとして愛知県長久手市の吉田一平市長をお迎えし、20人の会員が出席しました。

杉浦昭子理事長より吉田市長の紹介があり、その後、吉田市長による「『役割』と『居場所』のあるまち~まざって暮らすと、たつせがある~」と題したプレゼンテーションが行われました。

名古屋市に隣接する長久手市は、面積およそ21km2、人口は約5万人。現在、65歳以上は7800人ですが、2050年には約2万人になり、約800人の認知症の人は、2050年には約3000人になると推計されています。今後しばらくは人口が増加しますが、生産人口が4万人に達する2025年がピークで、その後は減少し、高齢者が増えていくという状況です。
愛知医科大学病院のほか、市内には診療所が35ヵ所(うち訪問診療にかかわる医師は6名)、歯科医25ヵ所、訪問看護ステーション2ヵ所、ヘルパーステーション7ヵ所、居宅介護支援事業所5ヵ所、包括支援センター2ヵ所(中学校区に1ヵ所ずつ)と、小さいまちながら医療に恵まれている地域です。自然も雑木林も子どももお年寄りも、生きとし生けるものがつながって暮らすまちをつくりたいと述べました。

雑木林が暮らしの座標軸。いつも未完成、様々な木が混ざって存在している、少しずつ譲りあっている雑木林のように、人間関係も「だいたい、ほどほど、まあまあ、適当」に大らかに考える必要があると提唱しました。
実際、雑木林の中に特別養護老人ホームやグループホーム、ケアハウスなどの福祉施設、ショートステイやデイサービス、ヘルパーステーション、訪問看護ステーション、高齢者総合相談センターなどの在宅支援施設、幼稚園や託児所、福祉専門学校、喫茶店、古民家などが混在する「ゴジカラ村」を創設。「ゴジカラ」とは、仕事が終わった午後5時からの時間のように、ゆっくり自由に過ごせるようにという意味で、遊びまわる幼児の笑顔や走りまわる動物たちに囲まれた環境は、高齢者の元気につながっていると言います。

便利で豊かになったとはいえ、この50年で日本が失ったものは「つながり」「あんしん」「自然」。この3つを取り戻せば日本は変わるというスローガンを掲げ、「一人ひとりに役割と居場所があるまち」「助けがなかったら生きていけない人は全力で守る」「ふるさと(生命ある空間)の風景を子どもたちに」つくるための取り組みとして、「笑顔で挨拶し、目を見て話すことを大切にする」「役所の仕事を住民に相談する」ように徹底することによって、みんなで考え、地域のことは地域で解決する意識が高まると強調しました。
最後に、森づくり、人づくり、コミュニティづくりとともに、一人ひとりに〝たつせがある〟ようにしたいと結びました。

その後のディスカッションでは、ゴジカラ村での介護予防の成果、地域共生ステーションの在り方や行政サービスの範囲、住民主体の構築の仕方、事業者の役割、時間に追われる世界しか知らない団塊世代の意識転換などについて討議が交わされました。

次回は、ゲストスピーカーに黒岩卓夫先生(医療法人萌気会理事長)をお迎えし、2014年3月6日(木)に開催します。

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第19回「都市型の看護介護医療等連携研究会」開催

2014年1月9日(木)、東京ステーションコンファレンス(東京都中央区)にて、第19回「都市型の看護介護医療等連携研究会」を開催しました。ゲストスピーカーとして社会福祉法人長岡福祉協会理事・評議員・執行役員、高齢者総合ケアセンターこぶし園総合施設長の小山剛先生をお迎えし、20人の会員が出席しました。

杉浦昭子理事長より小山先生の紹介があり、その後、小山先生による「いつまでも住み慣れた地域社会で暮らし続けるために―制度改革と意識改革と覚悟が必要―」と題したプレゼンテーションが行われました。

以前は職場と生活範囲が同じだったことから家族で介護が完結していたが、現在は、核家族化や共働きなど、職場と生活範囲が異なるため家庭内での介護は困難になった。その結果、地域社会から離れた施設や病院で生活をせざるを得ない状況である。さらに、すでに人口減少が始まっている地方、今後団塊の世代が加わることにより一気に高齢化が進む都市部との格差が明らかな状況で、全国一律の政策では問題解決に至らないと指摘した。

今まで暮らしてきた地域社会の中で生活を継続するための支援システムは、施設あるいは病院から地域社会へ戻ることが目的だが、実際には、支援が不足しているため、元の生活に戻れない高齢者が多い。そうした問題を具体的に解決するためには、現在の住宅とは呼べないお粗末な住環境をなくし、24時間365日の連続したサービス、1日3食365日の配食を提供する地域社会、つまり介護付き住宅ではなく、介護付きの地域社会をつくる必要があると問題を提起した。

また、土地や居住部分は民間事業者が担当し、介護部分はフルタイム・フルサービスを提供する社会福祉法人が担当する「コラボレート型サポートセンター」の事例を紹介し、制度改革よりも、各地域で介護・看護・医療にかかわる人々の意識改革が重要だと結んだ。

その後のディスカッションでは、都市部と地方の違いの中で展開する施設の在り方、小規模多機能とか定期巡回の必要性、当事者意識が欠けている行政の職員、介護と看護の協働の在り方、ICTの活用などについて討議が交わされました。

次回は、ゲストスピーカーに吉田一平先生(愛知県長久手市市長)をお迎えし、2014年2月6日(木)に開催します。

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第18回「都市型の看護介護医療等連携研究会」開催

2013年11月7日(木)、東京ステーションコンファレンス(東京都中央区)にて、第18回「都市型の看護介護医療等連携研究会」を開催しました。ゲストスピーカーとして筑波大学大学院人間総合科学研究科の久野譜也教授をお迎えし、20人の会員が出席しました。

杉浦昭子理事長より久野教授の紹介があり、その後、久野教授による「健康長寿社会を実現するSmart Wellness Cityの取り組みについて」と題したプレゼンテーションが行われました。
「健幸」をまちづくりの基本に据え、最新の科学技術や科学的根拠に基づく持続可能な新しい都市モデル「Smart Wellness City」の構築を目指す自治体の首長と研究者らが集まり、2009年に「Smart Wellness City首長研究会(SWC)を発足。現在26市(2013年5月現在)が参加しています。
今後の10年間で75歳以上の後期高齢者が増大する中、生活機能の維持・増進、運動と食事のコントロールによる生活習慣病の予防、コミュニティの在り方を含め、従来型の健康施策ではなく、住んでいるだけで自然と歩き、健康になれるまちづくりの視点が必要だと述べました。

自治体による健康増進施策が実施される中、継続する人は約3割。どんなアプローチをしても、それ以上は増えないというデータがあります。また、約5000人を対象とした調査では、運動を実施する群と未実施群の割合も7対3。圧倒的に運動未実施群が多く、さらに未実施群の7割の人たちは、健康に関する情報収集もしていないことが判明。健康の重要性は理解していても行動を変容できないのではなく、健康づくりに対する認識が低いことが原因であり、こうした無関心層の7割の人たちに対する具体策が必要だと提言しました。

東京や大阪、愛知など、自動車依存度の高い都市部の住民は、身体活動量を増加させにくいため、安全で歩きやすい環境の整備が必要です。また、ソーシャル・キャピタル(人々の協調行動を活発にすることによって社会の効率性を高めることができる信頼、規範、ネットワークといった社会組織のあり様)を高め、身体活動量を増やすには、地域コミュニティのつながりを強化して社会的な役割を創出する環境づくりも重要であり、その具体策の一つとして、歩くことを通じて健康をつくる「Smart Wellness City構想」を実現し、日本の健康問題を解決したいと結びました。

その後のディスカッションでは、コンパクトシティの方向性、自動車利用の抑制、住宅地や中心商業地の整備、平成の大合併とコンパクトシティの関係、保健師の人材育成等について討議が交わされました。

次回は、ゲストスピーカーに小山剛先生(高齢者総合ケアセンターこぶし園 総合施設長)をお迎えし、2014年1月9日(木)に開催します。

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第17回「都市型の看護介護医療等連携研究会」開催

2013年10月3日(木)、東京ステーションコンファレンス(東京都中央区)にて、第17回「都市型の看護介護医療等連携研究会」を開催しました。ゲストスピーカーとしての小牧市民病院泌尿器科 排尿ケアセンター部長の吉川羊子先生をお迎えし、20人の会員が出席しました。

杉浦昭子理事長より吉川先生の紹介、国立長寿医療研究センターの大島伸一総長より吉吉川先生を講師に招いた経緯の紹介後、吉川先生による「自分をまもる、家族をまもる、隣人をまもるための排泄ケア―排泄ケアにおける多職種連携―」と題したプレゼンテーションが行われました。

高齢者の排泄状態は個別性が高いため、状態の善し悪しを見極めるのは困難な面もあるが、排泄の管理は、排泄障害を起こす病気を回避し、腎臓への影響を乖離して個人のQOLや尊厳を守ることが目的である。適切な排泄ケアを行うことによって心身機能の保持、寝たきりや認知症の防止に効果的な排泄リハビリテーションと位置付けられ、介護予防としての役割も担うと述べた。

愛知県排尿管理実態調査や臨床現場における調査を行い、不適切な排泄ケアによって患者のADLの低下、寝たきりや認知症の助長など、QOLが著しく損なわれていることを指摘。医師や看護師、介護福祉士、介護ヘルパーなどは排泄ケアへの関心が低いうえ、正しい知識を持っていないため、安易なカテーテル留置やオムツ使用を続けていることが原因であると問題提起した。

こうした現状を解決するため、愛知県では官・民・学が連携し、2002(平成14)年にNPO愛知排泄ケア研究会を創設。医師、看護師、ケアマネ、介護ヘルパー、介護福祉士、理学療法士、運動指導士など職種を問わず、排泄ケアの知識・技術の教育や啓蒙を行っている。第1期生から平成24年度までに200名以上の排泄機能指導士も誕生。医療・介護の現場で適切な排泄ケアを実施するとともに、成果を学会で発表していき、よりよく普及させたいと結んだ。

その後のディスカッションでは、排泄ケアのアセスメントの仕方、排泄ケアに関するエビデンス、認知症と排泄障害の関係、医療現場や施設における排泄ケアの問題、薬局における排泄ケアに関わる指導と役割等について討議が交わされました。


次回は、ゲストスピーカーに久野譜也先生(筑波大学 体育系教授)をお迎えし、2013年11月7日(木)に開催します。

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第16回「都市型の看護介護医療等連携研究会」開催

2013年9月5日(木)、東京ステーションコンファレンス(東京都中央区)にて、第16回「都市型の看護介護医療等連携研究会」を開催しました。ゲストスピーカーとしての滋賀県東近江市の永源寺診療所の花戸貴司先生をお迎えし、20人の会員が出席しました。

杉浦昭子理事長より花戸先生の紹介があり、その後、花戸先生による「患者よし・機関よし・地域よし~三方よしを目指した地域づくり~」と題したプレゼンテーションが行われました。

三重県と接する滋賀県南東部、鈴鹿山脈の麓にある東近江市永源寺地域(旧永源寺町)は、高齢化率30%を超える地域で、永源寺診療所の対象人口は6000人です。「病気を治したい」「元気になりたい」と思うのは当然のことながら、がんや認知症、老衰、生まれつきの障がいなど、治療が難しい場合でも、住み慣れた地域で畑仕事をしたり、犬の散歩をしたりするなど、その人らしくイキイキと暮らし、最期は家で迎えたいという住民の望みを支えるのが医療であり、そのことを教えてくれた地域の人たちに感謝していると花戸先生は述べました。

花戸先生は、「ご飯が食べられなくなったら、どうしたいですか?」「寝たきりになったら病院に行きますか? それとも施設に行きますか?」と、患者さんが元気なうちから聞くようにしています。終末期の意思をきちんと聞き、家族とも様々な情報を共有しながら、安心感をつないでいくことが、かかりつけ医としての役割だと考えているからです。

「売り手よし、買い手よし、世間よし」という近江商人の精神を「三方よし」と言いますが、これをもじって「患者よし、機関よし、地域よし」を目指すために「三方よし研究会」を立ち上げ、医療と介護、行政の連携を深めています。在宅医療は、高齢者が「生きる」ことを若い人たちに伝える絶好の機会であり、「命の大切さ」「家族の絆」を大切にした、思いやりの持てる地域をつくっていきたいと語り、地域医療とは、地域で医療を行うだけでなく、医療を通した「地域づくり」をすることだと思っていると結びました。

その後のディスカッションでは、在宅医療・看取りに対する永源寺地域の住民の意識の高さ、病院の医師と在宅の医師との違い、医療を通した地域づくり・コミュニティの在り方、「三方よし研究会」の発展、地域と都市部の違い等について討議が交わされました。


次回は、ゲストスピーカーに吉川羊子先生(小牧市民病院泌尿器科・排泄ケアセンター部長)をお迎えし、2013年10月3日(木)に開催します。

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第15回「都市型の看護介護医療等連携研究会」開催

2013年8月1日(木)、東京ステーションコンファレンス(東京都中央区)にて、第15回「都市型の看護介護医療等連携研究会」を開催しました。ゲストスピーカーとしての滋賀県の嘉田由紀子知事をお迎えし、20人の会員が出席しました。

杉浦昭子理事長より嘉田知事の紹介があり、その後、嘉田知事による「滋賀の医療福祉・在宅看取り」と題したプレゼンテーションが行われました。

人口減少、超高齢化・多死社会が到来する現代において、医療や介護、雇用のセーフティネット、子育てへの不安感の増大は重要課題です。滋賀県政では「住み心地日本一の滋賀」を目指し、未来戦略プロジェクトとして、①子育て・子育ち応援、②働く場への橋架け、③地域を支える医療福祉・在宅看取り、④低炭素社会実現、⑤琵琶湖の再生、⑥滋賀の未来成長産業、⑦地域の魅力まるごと産業化、⑧みんなで命と暮らしを守る安全・安心という8つの重点テーマを挙げていると述べました。

医療福祉・在宅看取りについては、在宅医療推進モデル事業として、多職種の意見交換会の開催やチームによる在宅医療体制の構築などに積極的に取り組む市町を支援するほか、認知症や糖尿病の予防・診断の強化、在宅医療福祉を担う医師や看護職員、地域リハビリテーションの人材養成、病理診断の画像ネットワークなどの取り組みを紹介。県民意識調査の結果を踏まえ、自分や家族の生き方、最期の迎え方について、市民自らが考え、意識を高めるために、地域創造会議劇団による看取り劇場を開催し、行政・医療福祉関係者・市民の垣根を超えた取り組みの必要性を強調しました。

また、東近江市永源寺診療所の花戸貴司医師や米原市などでの看取りの現場に密着した写真家・國森康弘氏の「いのちつなぐ〝みとりびと〟」(全4巻/農文協)は、あたたかな看取りを写真と文で綴った写真絵本で、「いのち」と「絆」を見つめ考える1冊として小中学校の学習内容にもなると推奨しました。

最後に2030年を見据え、自然の力を活かす「グリーンニューディール」、人の力を活かす「ヒューマンニューディール」、地と知の力を活かす「ふるさとニューディール」による未来成長戦略を実践していくと結びました。

その後のディスカッションでは、地域包括ケアに理解のない行政や医療従事者、市民へのアプローチの仕方、医療福祉の一体化への取り組み、地域リハビリテーションの在り方、市民の意識向上等について討議が交わされました。


次回は、ゲストスピーカーに花戸貴司先生(東近江市永源寺診療所 所長)をお迎えし、2013年9月5日(木)に開催します。

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第14回「都市型の看護介護医療等連携研究会」開催

2013年7月11日(木)、東京ステーションコンファレンス(東京都中央区)にて、第14回「都市型の看護介護医療等連携研究会」を開催しました。ゲストスピーカーとして、特定非営利活動法人ホームホスピス宮崎の市原美穂理事長をお迎えし、20人の会員が出席しました。

杉浦昭子理事長より市原理事長の紹介があり、その後、市原理事長による「暮らしの中で〝死に逝く〟こと ~「かあさんの家」の実践から~」と題したプレゼンテーションが行われました。

NPOホームホスピス宮崎が運営する「かあさんの家」は、末期がんや認知症、老衰などの終末期の高齢者5~6人が民家で共に暮らすケアハウス。看護師と介護職が24時間365日見守り、在宅医やボランティア、地域の人とも連携しながら、普段通りに生活する高齢者の穏やかな看取りを支えています。全国に先駆け、2004年に宮崎市に新設されたホームホスピスです。

緩和ケア病棟や介護施設、自宅で受け入れてもらえない人たちの終の棲み家となる〝もう1つの家〟を作りたいと思ったいきさつ、ホームホスピス誕生の背景、「かあさんの家」の仕組み、介護スタッフの役割を述べ、「最期まで普通の暮らしの中で生き切ることができるよう支える」「家族の悔いのない看取りを支える」という2つの目標について、事例を挙げて解説しました。

開設当初、地域住民の理解や協力を得にくかったものの、制度の枠を超えた取り組みに賛同する人が増え、宮崎市内に4ヵ所開設した経緯を述べ、ホームホスピスは、地域の人的資源をつないで、お互いに成長する関係を築きながら、病院や施設から地域に、暮らしの場に、生活の場に、看取りの文化を取り戻すムーブメントであると結びました。

その後のディスカッションでは、「かあさんの家」の運営費用、介護スタッフの質の向上や評価の仕方、専門職における胃瘻や摂食嚥下機能に関する認識の違い、ホームホスピス普及のための制度化の是非等について討議が交わされました。


次回は、ゲストスピーカーに嘉田由紀子先生(滋賀県知事)をお迎えし、2013年8月1日(木)に開催します。

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第13回「都市型の看護介護医療等連携研究会」開催

2013年6月20日(木)、東京ステーションコンファレンス(東京都中央区)にて、第13回「都市型の看護介護医療等連携研究会」を開催しました。ゲストスピーカーとして、国立社会保障・人口問題研究所の西村周三所長をお迎えし、20人の会員が出席しました。

杉浦昭子理事長より西村所長の紹介があり、その後、西村所長による「大都市の人口問題の将来と医療・介護の連携」と題したプレゼンテーションが行われました。

「日本の将来推計人口」では、1947〜49年生まれの団塊の世代が75歳以上となる2025年までに、65~74歳の高齢者はやや減少に向かい、75歳以上は激増します。特に都市部、なかでも近郊都市においては75歳以上の高齢者が増え、一方、鳥取県や島根県では、総人口が減るとともに、75歳以上の人口増加は少ないため、今以上の高齢化は進まないと推計されています。キーワードとなるのは、65歳から74歳の元気な高齢者の処遇、あり方をどのように考えるか。65歳以上が50%を超える「限界集落」においては、その年代は「支えられる側」ではなく、「支える側」であり、こうした現実を踏まえて将来的な対策を講じる場合、地域差とともに比率と絶対数を分けて考える必要があると述べました。

また、「社会保障・税一体改革」の考え方の中では、若年者を重視することが大きなテーマであり、20年後を見据えた少子対策として、新しい産業を担ういまの20~30歳代の若年者に対して、熟練・技能の継承への投資が必要であると示唆しました。

経済状況が好転しなければ、持家貧困者が急増するという危惧もあるが、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域地域包括ケアシステムを実現するためには、都道府県や市町村が、地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じて作り上げていくことが必要であると結びました。

その後のディスカッションでは、一定の雇用が生まれる社会をどうやって作っていくのか、医療・介護における適正なサービスの構築は誰が主導するべきなのか、都市型の地域密着型サービスの展開を妨げる壁等について討議が交わされました。


次回は、ゲストスピーカーに市原美穂先生(特定非営利活動法人ホームホスピス宮崎 理事長)をお迎えし、2013年7月11日(木)に開催します。

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第12回「都市型の看護介護医療等連携研究会」開催

2013年5月9日(木)、東京ステーションコンファレンス(東京都中央区)にて、第12回「都市型の看護介護医療等連携研究会」を開催しました。ゲストスピーカーとしての古田達之先生(柏市医師会理事・在宅プライマリケア委員会)、長瀬慈村先生(柏市医師会副会長)をお迎えし、20人の会員が出席しました。

杉浦昭子理事長の挨拶の後、古田先生による「豊四季台地域における医療―柏市医師会の取り組み―」、長瀬先生による「在宅医療推進事業・柏プロジェクトを契機とした1地区医師会の変容―これからの医師会のあり方とは―」と題したプレゼンテーションが行われました。

高齢化が急速に進み、「治す医療」から「生命を支える医療」への転換が望まれる現在、柏市と東京大学高齢社会総合研究機構、柏市医師会等が取り組んでいる「柏プロジェクト」は、都市型高齢社会のあり方を検証するための在宅医療モデルとして大きな期待が寄せられています。古田先生は、柏市のロケーション、高齢化の状況などを挙げ、豊四季台地域が在宅医療モデル地区に選ばれた理由を話しました。

在宅医療を推進するために、(1)負担を軽減するシステムの構築、(2)担い手を増やし、連携を推進、(3)情報共有システムの構築、(4)地域医療拠点の設置、(5)市民啓発の5つを柱とした具体的な取り組みを紹介しました。「医療WG」「連携WG」「試行WG」「10病院会議」「顔の見える関係会議」の設置、多職種連携と情報共有に関するルール作り、主治医・副主治医制度、在宅医療研修プログラム等を実施するとともに、在宅ケア市民集会等を開催。行政(市町村)が事務局となり、地区医師会が多職種を先導することによって、在宅医療が推進されると述べました。

長瀬先生は、柏市医師会の変遷と現執行部、柏市地域包括ケアシステム構築の経緯について話し、柏プロジェクトが理想的に進んでいる理由として、産官学一体の取り組み、柏市医師会のあり方の転換期、医師の立ち位置を考慮した行政や関連団体と連携を挙げました。その上で、柏プロジェクトが抱える課題として、高齢者の生きがいづくりと循環型まちづくり(子育て支援)、柏市地域医療拠点施設建設と役割、市民の啓発と意見反映に対する考えを述べ、これから展開する在宅ケアシステム・柏モデルの分析を行うことが、地域包括ケアシステムの全国普及の鍵をにぎると結びました。

その後のディスカッションでは、ルール作りに関する評価チームの設定、訪問看護の育成、訪問リハビリステーションの設置、地域ケア会議や地域医療拠点のあり方、地域包括ケアセンターやモラルハザードの問題、病院との関係づくり等について討議が交わされました。


次回は、ゲストスピーカーに西村周三先生(国立社会保障・人口問題研究所 所長)をお迎えし、2013年6月20日(木)に開催します。

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第11回「都市型の看護介護医療等連携研究会」開催

2013年3月7日(木)、東京ステーションコンファレンス(東京・中央区)にて、第11回「都市型の看護介護医療等連携研究会」を開催しました。ゲストスピーカーとして杉浦立尚先生(笑顔のおうちクリニック院長)をお迎えし、開催いたしました。

杉浦昭子理事長の挨拶の後、杉浦立尚先生の紹介があり、その後、杉浦先生による「在宅医療とICT」と題したプレゼンテーションが行われました。

高齢者の増加に伴い、ますます在宅医療に対するニーズが高まる中、看取りも含め、他職種の連携による在宅医療の在り方が問われていますが、実際には情報の共有化ができていなかったり、スムーズに連携できなかったりする場合が少なくありません。そうした問題を解決するための方法として、杉浦先生はICTシステムの導入が必須であると判断、新しい在宅医療の発信拠点として笑顔のおうちクリニックを開設したと話しました。

在宅療養を続ける患者さん、その家族を取り巻く医師や看護師、薬剤師、ケアマネ、ヘルパー等が、スマートフォンやタブレット端末で情報を共有し、チャットを使って日々のやり取りができる「笑顔のおうちICTシステム」の基本設計と利点を杉浦先生が述べた後、今年埼玉県で開業した笑顔のおうちクリニックさいたまの杉浦大介院長より、チャットを使った症例が紹介されました。
電子カルテとコミュニケーションツールを統合した「笑顔のおうちICTシステム」、スマイルコンシェルジュと呼ばれる内勤スタッフによって、緊急時を含め患者さんやその家族の悩みや不安を解消する24時間体制を確立したと話す一方、情報共有とコミュニケーションを合わせなければ多職種の連携はできないこと、ふだんの患者さんとの会話が重要であることを述べ、アナログとデジタルの融合をより多くの人に理解してもらうと同時に、医療安全を確保したいと結びました。

その後のディスカッションでは、電子カルテとコミュニケーションの統合に関するアウトカムをどう評価するか、それぞれに導入しているシステムとの一体化、デジタルに移行にしくい現代の多職種の連携に関する課題、患者さんのアウトカム、デジタルとアナログの使い分けや限界、ICTによる医療安全と質の担保等について討議が交わされました。
 

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第10回「都市型の看護介護医療等連携研究会」開催

2013年2月7日(木)、東京ステーションコンファレンス(東京・中央区)にて、第10回「都市型の看護介護医療等連携研究会」を開催しました。ゲストスピーカーとして松谷明彦先生(政策研究大学院大学 名誉教授、国際都市研究学院理事長)をお迎えし、25人の会員が出席しました。


大島伸一座長(国立長寿医療研究センター総長)より松谷先生の紹介があり、その後、松谷先生による「人口減少時代の大都市経済―価値転換への選択―」と題したプレゼンテーションが行われました。

急速な高齢化が進む中で、労働者の母体である生産年齢人口(15~64歳の働く可能性の高い年代)が減る日本において、経済、財政、医療保険、年金の問題は今後ますます悪化し、そうした中で財政環境と経済環境が極めて困難になるのは大都市であると松谷先生は指摘しました。
人口構造の劇的変化、経済成長率の低下、逼迫する財政など、未だかつて誰も経験したことのない巨大な環境変化の原因についても言及し、このままの状態を放置すれば、2035年までに大都市圏では高齢者難民が増大すると警鐘を鳴らしました。
更に、増税では解決できない現状に対して、大都市が取り組むべき課題として「ビジネスモデルの転換」「財政政策の転換」「住宅政策の転換」が必要であると述べました。 また、今後の高齢化社会で起こり得る課題については、誰もが自分の人生の問題として責任を持って考えるべきだとし、平均年収が減少しても豊かな人生を送るためには、お金では買えない幸せを追求する生き方が必要であると結びました。

その後のディスカッションでは、婚姻率や出生率の低下をどうすればいいのか、GDPをいかに向上させるか、住宅政策をどう変えればいいのか、収益を上げるためにどうすればいいのか、価格破壊の競争社会でどう立ち回ればいいのか、財政収支の悪化をくいとめ適正な運営をしていくにはどうすればいいのか、などについて討議が交わされました。


次回は、ゲストスピーカーに杉浦立尚松先生(笑顔のおうちクリニック院長)をお迎えし、2013年3月7日(木)に開催します。

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第9回「都市型の看護介護医療等連携研究会」開催

2013年1月10日(木)、東京ステーションコンファレンス(東京・中央区)にて、第9回「都市型の看護介護医療等連携研究会」を開催しました。ゲストスピーカーとして齋藤訓子先生(日本看護協会常任理事)、佐野けさ美先生(日本在宅看護学会副理事長)をお迎えし、24人の会員が出席しました。

杉浦昭子理事長より齋藤先生の紹介があり、その後、齋藤先生による「在宅医療・介護の充実にむけた日本看護協会の取り組み」と題したプレゼンテーションが行われました。続いて杉浦理事長より佐野先生の紹介があり、佐野先生による「よりよく生きるために私たちができること―スギメディカル㈱の取り組み」と題するプレゼンテーションが行われました。

齋藤先生は、超高齢化・多死社会を迎える2025年に向け、地域包括ケアシステムの中で、住み慣れた地域での在宅療養を支える訪問看護のミッションを達成するためには、「訪問看護・介護領域の看護人材確保」「訪問看護事業所の基盤強化」「効率的なサービス提供体制の整備」「看護の質の向上」の4つの課題をクリアする必要があると述べました。
「複合型サービスの推進と普及」として全国でモデル事業を実施し、効率的で質の高いサービスの在り方を検証するとともに、介護施設の看護マネジメントも強化する方針。また、訪問看護の人材を確保するために、新カリキュラムを作成し、現職・新人・潜在・セカンドキャリアの看護師が訪問看護に参入しやすい体制を整備していく方策を示しました。

佐野先生は、UR柏豊四季台団地プロジェクトでの取り組みにおいて、学研ココファンと長岡福祉協会、スギメディカルの3社コンソーシアムにより、汎用性のある事業モデルを構築するためのノウハウを一体化することの重要性を述べました。
また、居宅介護事業の24時間体制、定期巡回・随時訪問サービスにおける情報の可視化や記録の一元管理によってシームレスな連携が実現できる可能性を示唆しました。さらに看護・介護にまつわる様々な問題点を整理した上で、独自の事例集を作成して活用した結果、それぞれの立場で自ら考える能力が向上し、必要なタイミングで、必要なケアが提供できるようになったことから、型にはまらない発想で事業に取り組むべきと提言しました。

その後のディスカッションでは、訪問看護の人材不足の問題点と今後の取り組み、社会福祉法人による訪問看護ステーションの在り方、利用者の身体的・精神的・社会的要素の可視化、訪問看護と薬剤師との連携不足、訪問看護の事業数や人数の適正化、訪問看護の多機能化、一人開業の賛否、定期巡回と訪問看護の連携の問題点、急性期・回復期病院の看護の本来の在り方などについて、討議が交わされました。

次回は、ゲストスピーカーに松谷明彦先生(政策研究大学院大学名誉教授)をお迎えし、2013年2月7日(木)に開催します。

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第8回「都市型の看護介護医療等連携研究会」開催

2012年11月8日、東京ステーションコンファレンス(東京・中央区)にて、第8回「都市型の看護介護医療等連携研究会」を開催しました。ゲストスピーカーとして岩尾聡士教授(名古屋大学経済学研究科社会福祉経済学寄附講座)をお迎えし、13人の会員が出席しました。

まず、杉浦昭子理事長の開会のあいさつでは、一般公開セミナーとして開催した第7回都市型の看護介護医療等連携研究会について、定員400人の会場が満席となる盛況であったこと、アンケート調査より参加者から非常に好評を得たことの報告があり、続いて、ゲストスピーカーの紹介を行い、医師でありながら経済学を研究されている岩尾教授のプレゼンテーションへの期待を述べました。
その後、岩尾教授によって「都市での社会福祉経済」と題したプレゼンテーションが行われました。

岩尾教授はまず、名古屋市のベッドタウンである愛知県春日井市の現状について述べ、課題に「医療者とケアマネジャーの視点・意識の違い」「情報共有の仕組みの不足」の2点を挙げて、課題に対する取り組みを報告しました。また、病院の地域医療連携についても同様に、現状と課題を挙げました。
続いて、サービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住)について、登録制度が開始されるに至った背景や国の支援(補助金交付・税制優遇・融資制度)を解説する一方で、今後75歳以上の高齢者が増加するに伴い、重度要介護者も増加する見通しを示しました。
その上で、「国は10年間でサ高住を60万戸整備することを目標にしているが、140万戸は必要だと思う。また、病院や介護施設の代替となり、看取りのできるものでなければ、どんどん建ってもどんどんつぶれるだろう」と警鐘を鳴らしました。
さらに、今後は“ものづくりの時代”と位置付け、特定の顧客に向けた職人による伝統工業が盛んな「第三のイタリア」と呼ばれる地域を紹介し、「日本にもこのような考え方が重要になるのでは」と述べました。
最後に、中部地域における課題解決へのモデルを示す枠組みとして設立された「新ヘルスケア産業フォーラム」について紹介した後、医療と介護のシームレスなサービスを実現する必要性を強調し、プレゼンテーションを終えました。

その後のディスカッションでは、中小規模の私立病院が今後生き延びる方策、日本の医療におけるマネジメント、医療と介護が連携できる全国的な仕組みづくりなどについての討議が交わされました。

次回の研究会は年明けの2013年1月10日、訪問看護をテーマに開催します。

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第7回「超高齢社会における地域医療連携」開催

公開セミナー「超高齢社会における地域医療連携」として開催
平成24年10月28日(日)13時~17時場所:ザ・グランドホール品川

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第6回「都市型の看護介護医療等連携研究会」開催

2012年9月6日、東京ステーションコンファレンス(東京・中央区)にて、第6回「都市型の看護介護医療等連携研究会」を開催しました。ゲストスピーカーとして池田省三先生(龍谷大学名誉教授・地域ケア政策ネットワーク研究主幹)をお迎えし、19人の会員が出席しました。

 まず、大島伸一座長より池田先生の紹介があり、その後、池田先生によって「都市部での介護保険の展開」と題したプレゼンテーションが行われました。

 池田先生は、日本の介護保険を各国と比較して、在宅サービスで使える金額が高いこと、軽度者も給付対象であることなどの特徴を挙げ、「日本の介護保険は“贅沢”につくられている」と述べました。
 続いて「にもかかわらず、あまり評判がよくなく、効果も上がっていないのはなぜか」と問いかけるとともに、高齢者の元気度とサービス利用には地域格差が大きいこと、特に都市部では地価のせいで施設が少ないうえ、在宅サービスも少ない現状を示しました。
 そして、現状の問題点として、施設サービスは給付・負担とも優遇されているが、特別養護老人ホームには在宅生活が可能な要介護3以下の入所者が3分の1以上を占めている都道府県が多いこと、在宅サービスにおいては、訪問介護は必要回数の3割にも満たず、訪問看護の利用率も減少していることを挙げました。
 さらに、サービス付き高齢者向け住宅の可能性と課題、認知症ケアの不在、ケアマネジャーの役割や介護職員の質についても言及し、最後に介護保険の財源安定確保の方策を示しました。

 その後のディスカッションでは、サービス付き高齢者向け住宅のつくり方、ケアマネジャーの役割、介護職の質向上のための施策、病院の高齢者医療の見直しなどについての討議が交わされました。
 
 次回は、2012年10月28日に公開セミナー「超高齢社会における地域医療連携」を開催、基調講演とシンポジウムが行われます。

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第5回「都市型の看護介護医療等連携研究会」開催

2012年8月9日、東京ステーションコンファレンス(東京・中央区)にて、第5回「都市型の看護介護医療等連携研究会」を開催しました。ゲストスピーカーとして高橋紘士教授(国際医療福祉大学大学院)をお迎えし、19人の会員が出席しました。

 まず、大島伸一座長より高橋教授の紹介があり、その後、高橋教授によって「大都市型高齢化時代における介護保険と地域包括ケア」と題したプレゼンテーションが行われました。

 高橋教授はさまざまなデータから、今後、我が国の人口が急減し、国土の大部分で人口が疎になり地域の扶助力が低下する一方、東京圏には人口が集中して医療・介護ニーズが大幅に増加することを示しました。
 また、小売業や医療・福祉などのサービス産業が成り立つには、ある程度の人口規模が必要とされるが、地域の人口減少を受けて産業やサービスの構造が大きく変化する中で、ビジネスモデルをどう考えていくかが今後の議論の大きなテーマとなると述べました。
 次に、「自助」「互助」「共助」「公助」という4つのヘルプの中で、これまで前提とされていた「自助」と「互助」をいかに再活性化させるかがカギになることを強調しました。
 最後に、生活困窮者の包括的支援を行い、年間10億円に迫る事業規模を持つに至ったNPO法人「ふるさとの会」について紹介。新たなコミュニティビジネスの可能性を示しました。

 その後のディスカッションでは、「ふるさとの会」と医療とのかかわりについての質疑応答のほか、インフォーマルな支援である「互助」の認識をどのように広めていけばよいのかなどの意見が出されました。

 次回は、ゲストスピーカーに池田省三先生(地域ケア政策ネットワーク研究主幹)をお迎えし、2012年9月6日に開催します。

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第4回「都市型の看護介護医療等連携研究会」開催

2012年7月5日、東京ステーションコンファレンス(東京・中央区)にて、第4回「都市型の看護介護医療等連携研究会」を開催しました。ゲストスピーカーとして長谷川敏彦教授(日本医科大学)をお迎えし、17人の会員が出席しました。

 まず、大島伸一座長より長谷川教授の紹介があり、その後、長谷川教授による「日本の社会と医療の未来」と題したプレゼンテーションが行われました。
なお、今回の研究会はプレゼンテーションを2部構成とし、それぞれのプレゼンテーションの後にテーマに従ってディスカッションする形式となりました。

 「Part1.日本はどうなる」では、長谷川教授は「まず、人口がフラットになる2030年において日本がつぶれない社会をつくるために、今、何をすべきか考える“バックキャスティング”が必要」と述べ、「日本」「家族」「経済」「列島」「医療」「生存」の6つの観点からの課題を挙げました。
 そして、人口の半数以上を占めるようになる50歳以上の人たちが “役割なき役割”を果たすために第3の人生を設計し、それぞれが持てる力を出し合ってお互いに支え合う重要性について解説しました。
 その後に行われたディスカッションでは、高齢者がお互いに支え合う仕組みや教育の重要性についてなどの発言がありました。

 続いて、「Part2.医療はどうなる」では、長谷川教授は「近代医学の目的は“病気の治癒”であったが、これからの医療の目的は“人生支援”。豊かな人生を全うするためには、高齢者に必要な “慢性期ケア・急性期ケア・回復期ケア・長期ケア・末期ケア” というケアサイクルを廻すことが必要」と述べました。
 次に、ケアサイクルをスムーズに廻すために重要な10項目として「高齢者の参加と覚悟」「提供者の意識と文化の転換」「医療福祉統合システム」「インターフェイス」「定義と状態DRG」「臨床とシステムの評価」「資源とティーム」「設立、経営、統治」「新たな人間観疾病観と教育」「システムの透明性、説明責任」を挙げました。
 そして、「新たな社会への準備期間はもうほとんどない。超高速超高齢化の一番乗りを果たす日本がアジア・世界に向けて発信していかなくては」と総括し、プレゼンテーションを締めくくりました。 その後のディスカッションでは、高齢者の参加と覚悟について、また、現在の医療の問題点などについて意見が交わされました。

 次回は「介護保険 何が問題か? 都市で機能するために何が必要か?」をテーマに、ゲストスピーカーに高橋紘士教授(国際医療福祉大学)をお迎えし、2012年8月9日に開催します。

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第3回「都市型の看護介護医療等連携研究会」開催

2012年6月7日、東京ステーションコンファレンス(東京・中央区)にて、第3回「都市型の看護介護医療等連携研究会」を開催しました。ゲストスピーカーとして橋本俊明会長(一般財団法人サービス付き高齢者向け住宅協会)をお迎えしました。

 杉浦昭子理事長が開会の挨拶と橋本会長の紹介を行った後、橋本会長による「障害を持つ高齢者の住まいについて」と題したプレゼンテーションが行われました。

 橋本会長はまず、「これからの介護行政では、障害があっても生きていく意欲を持てるような環境(システム)の提供とその持続可能性を理念とすべきであり、それは当事者の自己決定に基づく考え方によって可能になると思われる」としながら、「しかし、日本の高齢者ケアは、家族や介護者など第三者的な立場からの考えに基づいた“保護的”なシステムが構築されているため、供給(老人ホームの建設)が需要を生む結果となっている」と、現状の問題点を指摘しました。
 次に、自由度と安全性の観点から「生きる意欲を持てる環境」の提供を考えると、「自分の住みたいところに住んで必要なケアが受けられるためには、住まいとケアとの分離が必要」と述べ、戸建住宅・サービス付き高齢者向け住宅・介護付き有料老人ホーム・特別養護老人ホームのそれぞれについて現状と課題を挙げ、「住まいとケアとの分離」の可能性と実現へのプロセスを示しました。
 そして最後に、「日本の医療・介護においては“市場”を介したコントロールができていないのではないか」との懸念を述べて、プレゼンテーションを締めくくりました。

 その後に行われたディスカッションでは、2011年10月から登録が開始され、橋本会長が㈱メッセージで展開しているサービス付き高齢者向け住宅について、「地域の中に組み込まれているのか」「薬剤の管理は行っているのか」「在宅医はどうするのか」など、その概念や提供しているサービスに関する質疑応答がありました。
 また、プレゼンテーションの内容を受けて、最後まで地域で住み続けるために、訪問系サービスや在宅医を増やすにはどうすればよいか、などについても討議が交わされました。

 次回は「都市の変化と医療の動向」をテーマに、ゲストスピーカーに長谷川敏彦教授(日本医科大学教授)をお迎えし、2012年7月5日に開催します。

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第2回「都市型の看護介護医療等連携研究会」開催

2012年5月10日、東京ステーションコンファレンス(東京・中央区)にて、第2回「都市型の看護介護医療等連携研究会」を開催しました。ゲストスピーカーとして田中滋教授(慶應義塾大学大学院経営管理研究科)をお迎えし、17人の会員が出席しました。

 杉浦昭子理事長の挨拶の後、大島伸一座長が田中教授を紹介。引き続いて田中教授による「地域包括ケアシステムの課題」と題したプレゼンテーションが行われました。

 田中教授は冒頭、「医療・介護分野のリーダーは、自分たちの主力商品が社会保障制度である以上、社会保障制度を取り巻く経済環境を意識しなくてはならない」と述べ、社会保障のサイズがいかに巨大であるかを財源や従事者などの数値を挙げて示しました。
 次に、地域包括ケアシステムについて解説し、地域包括ケアシステムが介護保険だけの将来ビジョンではないことを強調。また、地域包括ケアシステムを支える考え方として、4つのヘルプ(自助・互助・共助・公助)を紹介。地域包括ケアシステムの5つの視点(予防・医療・介護・生活支援・住まい)のうち、住まいが他のサービスの土台となること、その上でマネジメントをしてコミュニティをつくることが地域包括ケアシステムの正しい形であることを述べました。
 最後に、社会保障の2025年度の予想サイズを紹介し、その実現のために求められる社会保障制度の改革課題を挙げて、プレゼンテーションを締めくくりました。

 その後に行われたディスカッションでは、プレゼンテーションの内容を受け、地域包括ケアシステムにおけるリーダーは誰か、財源の一体化は必要か、成果をどのように定義するのか、などの質疑について田中教授が回答。また、地域包括ケアシステムの推進者とされる市町村については、誰が市町村機能を教育するのか、地域包括ケアシステムの展開における地域ケア会議の具体的な内容と適切なサイズなどの質疑について、市町村行政の立場から東内京一委員が回答するとともに、さまざまな意見が交わされました。

次回は「都市で高齢者が生活する住環境のあり方」をテーマに、ゲストスピーカーに橋本俊明会長(サービス付き高齢者向け住宅協会)をお迎えし、2012年6月7日に開催します。

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第1回「都市型の看護介護医療等連携研究会」開催

2012年4月5日、八重洲富士屋ホテル(東京・中央区)にて、「あるべき姿の議論~課題と問題点を中心に~」をテーマに、第1回「都市型の看護介護医療等連携研究会」を開催しました。ゲストスピーカーとして宮島俊彦厚生労働省老健局長をお迎えし、看護・介護・医療の各分野で活躍する会員が全国各地から参加しました。

 冒頭、発会の挨拶で杉浦昭子理事長は、財団の今年度の事業の一つとして当研究会の開催に至ったこと、開催の趣旨は「都市に住む高齢者が、今までの地域で住み続けることを前提として支援するための多職種協働(特に看護介護医療連携)のあるべき姿について、提言をまとめること。急激な高齢化に対応する、安心して生活できる普遍的な都市(東名阪)モデルの構築を目指す」であることを述べました。
 次に、大島伸一座長(国立長寿医療研究センター総長)より当研究会の趣旨説明とともに「今後1年間の議論を形にし、一定のモデルを提示することをめざしたい」との決意が述べられ、その後、各会員が自己紹介を行いました。

 引き続き行われたプレゼンテーションでは、宮島老健局長が「課題と方向―地域包括ケア」と題して、地域包括ケアの5つの視点(予防・医療・介護・生活支援・住まい)からの問題提起、平成24年度の地域包括ケア体制と改革の方向性等について解説しました。

 その後は秋山正子、小山剛各副座長が議事を進行し、「在宅医療を地域で進めるためには在宅医師を増やす必要があるが、それをリードするのは誰なのか。行政の役割が見えないのではないか」(辻哲夫アドバイザー:東京大学高齢社会総合研究機構 特任教授)との問題提起に、宮島老健局長は「地方住民の医療行政の主体は市町村長。そして医師会に協力を得るという形になるのでは。しかし、現在の医療行政の中心は病院になっている」と、現状の問題点を述べました。

 この質疑応答を発端に活発な討議が交わされ、医師からは「医師会では在宅医療は認知されていない。“在宅診療科”を標榜できるようにしてほしい」と在宅医の厳しい立場が語られる一方、訪問看護師からは「若手や中堅の在宅医が増えてきている」「在宅医は在宅支援診療所の医師だけではない。クリニックを開業しながら往診を行う開業医もいる」との現状も報告されました。また、介護の立場からの「患者が安心して病院から地域に戻るには、在宅医をバックアップする病院の存在も重要」との意見に、「病院を変えていくのは在宅の力」という力強い発言もありました。
最後に、小山剛副座長のまとめを受けて大島座長が閉会を宣言し、第1回の研究会は終了しました。

なお、次回は「地域包括ケアと課題」をテーマに、ゲストスピーカーに田中滋慶應義塾大学大学院教授をお迎えし、2012年5月10日に開催します。

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